金融、コンサル、外資系の転職・求人なら人材紹介【アスパイア】

無料転職支援・
相談のお申し込み

簡単登録
(入力1分)
信頼度NO.1の人材紹介エージェント
  • pic

    Federal Reserve Board Chairman Jerome Powell

  • pic

    Wall Street sign near New York Stock Exchange

株価時価総額最新情報

Stock price market capitalization latest information

「1兆円クラブ」最多157社 時価総額増、海外マネー誘引 2023/05/18

株式時価総額が1兆円以上の日本企業が増えている。18日時点で過去最多の157社となった。値上げやM&A(合併・買収)で稼ぐ力を高めたり、株主還元を増やしたりした企業が海外の投資マネーをひき付けている。日経平均株価がバブル崩壊後高値の更新を視野に入れるなか、「1兆円クラブ」の拡大は株高の持続力を左右する。

18日の東京株式市場では日経平均株価が3万0573円で終え、2021年9月につけたバブル経済崩壊後の高値(3万0670円)に迫った。大型株に対する資金流入が続いている。

株価に発行済み株式数をかけた時価総額は、株式市場で投資家がつけた企業価値を示す。日本最大はトヨタ自動車の約31兆9000億円だ。1兆円以上の顔ぶれは23年に入り17社増えた。月末ベースで遡ると21年8〜9月の154社がピークで、その後は140社前後で推移してきた。

「1兆円クラブ」入りした企業は成長戦略や資本政策が評価されている。

21年にドラッグストア2社の経営統合で生まれたマツキヨココカラ&カンパニーは3月、初めて1兆円の大台にのせた。統合前の旧マツモトキヨシ株は5000億円前後で推移していた。株式市場ではM&Aによる規模拡大と経営効率化が評価されたほか、訪日客需要の回復も期待されている。

大日本印刷の時価総額は3月上旬に一時約1兆2500億円と、22年末の約8400億円から5割近く膨らんだ。PBR(株価純資産倍率)1倍超の実現をめざすと23年2月に宣言し、3月には同社として過去最大の上限1000億円の自社株買い計画を発表した。

経済の「脱デフレ」期待が高まるなか、値上げ力が投資家の評価軸になってきた。値上げの実現は製品やサービスの競争力の高さを示す。原材料や人件費の高騰分を吸収できれば、持続的な成長が見込める。

22年7月に時価総額1兆円を回復した日清食品ホールディングスは、原材料高に対応した値上げで採算が改善し、市場は24年3月期の営業最高益を見込む。東京ディズニーリゾート運営のオリエンタルランドの時価総額は約9兆7000億円と23年に入って4割増やし、10兆円の大台を視野に入れた。

10兆円以上の超大型株も足元で7社と過去最高だ。ファーストリテイリングは23年8月期の業績見通しの引き上げを機に10兆円の大台を回復した。ソニーグループは18日、金融子会社の分離・独立計画や自社株買いなどの資本政策が好感されて6%上げ、17兆円台とキーエンスを抜き2位に浮上した。

一方、楽天グループは1兆円クラブから脱落した。巨額投資が先行する携帯電話事業の先行き不透明感から株安が進んでいた。公募増資による希薄化懸念の売りで再び節目を割った。

時価総額が大きいほど大手機関投資家のマネーを呼び込みやすい。約7000億円を日本株で運用するオービス・インベストメンツの時国司・日本法人社長は「1社1社の調査にかかるコストは時価総額によらずほぼ同じ。(費用対効果を考えると)投資先は大型株の割合が大きくなる」と語る。海外投資家が参照するグローバルな株価指数に採用される可能性も高まる。

日本株は世界を見渡すと全体に「小粒」だ。QUICK・ファクトセットによると、世界株の時価総額ランキング(ドル建て)の上位100社以内に入る日本企業は、40位前後で推移するトヨタだけ。S&P500種株価指数を構成する米主要500社のうち約480社が1兆円以上ある。大型株の広がりは日本株市場の魅力増大にもつながる。

(日本経済新聞)

menu