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オフィス回帰、出社率7割に 企業は対面重視へ投資 2023/04/23

新型コロナウイルス禍からの経済活動の正常化で、従業員がオフィス出社に回帰してきた。東京都心部のオフィス出社率は7割を超える。レゾナック・ホールディングスなど対面重視へオフィスの機能を強化する企業もある。テレワークも定着するなか、企業はアフターコロナの働き方改革を進めている。

ニッセイ基礎研究所とクロスロケーションズ(東京・渋谷)がまとめた東京都心のオフィス出社率指数によると、マスク着用ルールが緩和された3月の平均はコロナ禍の2020年4月以降で初めて70を記録した。

オフィス出社率指数は、東京都心の16のオフィス地区の主要オフィスビルにおける平日の人流データを基に算出する。コロナ禍前の2020年1月から2月の曜日別平均値を100として指数化した。21年まではおおむね40〜50台で推移し、22年以降ほぼ60台だった。

新型コロナの感染症法上の分類が5月8日に「5類」に移行することをにらみ、企業も相次ぎ出社に関する社内運用ルールを変更する。

レゾナックは総席数を大幅増
昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が統合し発足したレゾナック・ホールディングスは6月から順次、本社を移転し、従業員用の総席数を大幅に増やす。

現在はオフィス勤務の社員の4割分しか座席がないが、全員が出社しても働けるスペースを確保し意思疎通のスピードを速める狙い。社員同士が協力しやすくし、出社を促す取り組みも検討する。

GMOインターネットグループはコロナ禍で推奨してきた原則週3日出社の方針を廃止した。原則出社とすることで、「全従業員が顔を合わせて勤務し、円滑なコミュニケーションを促進する」としている。

三菱重工業は在宅勤務を推奨し出社比率目標などを提示していないが、「5類移行後のルール変更を現在検討中で未定」とする。

ニッセイ基礎研究所の佐久間誠主任研究員は「日本人は特に空気を読むコミュニケーションを重視する。対面を望む傾向にあり、出社率の上昇につながっているのではないか」と分析する。

パーソル総合研究所の調査によると、出社時の生産性を100とした場合、テレワーク時の生産性は89.6%にとどまった。コロナ禍当初の水準よりは6ポイント弱上昇しているものの、出社したほうが生産性が高いと考える日本人は多い。

実際、対面によるコミュニケーション促進など企業の取り組みが進む。

日本マイクロソフトは22年夏に本社を約11年ぶりに一部改装した。効率的に会議を運営しやすい部屋などを整備した。「出社時も最高のパフォーマンスを発揮でき、リモートと出社でギャップを感じずに働ける環境を用意する」(同社)とする。足元の出社率はコロナ禍前の約5割で、コロナ禍と同水準で推移する。

三井物産は20年に新本社に移転した。座席数を社員数の7割に抑え、部署をまたいだ共有スペースを各フロアに設けるなど、対面時の効率を重視するオフィスづくりを強化してきた。

特に出社方針などを設けていないが、足元の出社率は65%前後で推移しているという。オフィス改革で「部署をまたいだ機動的な事業構築の枠組みが増えている」とする。

各国で差大きく
総務関連の情報誌を発行する月刊総務(東京・千代田)が2月にまとめた全国の総務担当者を対象にした調査では、今後の働き方についてオフィスが主体となるとの回答が21年調査比2.1ポイント増の29.5%だった。「オフィス予算を増やす」とした回答も20.6%になり、オフィスの機能充実に向けた投資は再開しつつある。

海外では国によりオフィスへの回帰状況に差があるようだ。不動産サービス大手の米ジョーンズラングラサール(JLL)によると22年末時点で米国のオフィス入居率は約45%で推移したが、欧州や中東では約70%だった。

アジア太平洋ではオフィスへの回帰傾向がさらに強く、オフィス入居率は85%に上ったという。JLLは住環境が手狭なアジアは自宅にオフィススペースを確保しにくいためだと分析する。

在宅勤務維持の企業も
日本でもコロナ禍で定着した働き方を続ける企業もある。全社でテレワークを推進する三菱ケミカルグループは現在出社率が3割程度で推移しており、「テレワークが1つの働き方として定着している」と方針を変えないという。

NTTは5類移行後も在宅勤務を原則とする。23年2月時点のテレワーク実施率はNTTコミュニケーションズが約78%、NTTデータが約71%だった。

テレワークは居住地や勤務地も問わずに働けるため、企業が優秀な人材を確保しやすいといった利点もある。パーソル総合研究所の小林祐児上席主任研究員は「社員の裁量に任せるのではなく、職場や会社として出社日数の目安を定めたり、テレワークでのコミュニケーションを工夫したりといった仕組み作りが大事だ」と指摘する。

(日本経済新聞)

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