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新型コロナウイルスの5類移行に伴い、企業が働き方のルール変更に動いている。TOYO TIREが原則出社の方針に切り替えるなど、出社制限を撤廃し、従業員にオフィス回帰を促す。一方、コロナ禍の3年余りでテレワークが働き方としてある程度定着した。「アフターコロナ」を迎えて経済活動の正常化が進むなか、企業も多様な働き方を探る。
8日8時時点のドコモ・インサイトマーケティング(東京・豊島)の人流データを基に人出を調べたところ、2019年のゴールデンウイーク休暇明けの7日に比べ、東京・丸の内エリアや品川駅周辺はコロナ禍前の7割程度に回復し、大阪駅は9割に戻った。20年はそれぞれ3~4割に落ち込んでいた。
TOYO TIREは5月8日に原則出社に切り替えた。これまでは原則在宅としていた。本社2フロア分を改装し、対話しやすいエリアや個室のオンライン会議用ブースを今後設ける。東京海上日動火災保険は出社率目安を設定していた働き方ガイドラインを8日に撤廃した。従来の出社率目安は7割だったが、8日以降は個人の判断に委ねる。
日本生産性本部の調査では、働き手のテレワーク実施率は20年5月に31.5%だった。その後、新型コロナの感染拡大に連動して、20%前後で推移したものの、直近の23年1月は16.8%にまで低下した。
行動制限や企業活動の自粛を伴った約3年間を経て、企業は「対面」の重要性を再認識している。
転職相談サービスのライボ(東京・渋谷)が運営する「Job総研」が5類移行後の出社方針について会社から通達があったかを聞いたところ、46%が「ある」と答えた。通達の94%が「出社が増える」内容だったという。4月19~23日に約750人の社会人を対象に調べた。
2月に原則出社に切り替えたGMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長はツイッターに「企業にとって最大のコロナ後遺症は在宅グセによるコミュニケーションの減少」と投稿した。
パーソル総合研究所の調査によると、出社時の生産性を100とした場合、テレワーク時の生産性は89.6%にとどまった。コロナ禍当初の水準よりは6ポイント弱上昇しているものの、出社したほうが生産性が高いと考える働き手は一定数いる。
一方でコロナ禍で定着した働き方の指針を変えない企業も多い。
第一三共は21年に上限なくテレワークできる制度を導入済みで、今後も新たな出社方針を設ける予定はない。東芝は居住地を問わない遠距離勤務制度を試験導入し、人材つなぎとめにつなげる。
22年夏に勤務地を自宅とする「リモートスタンダード制度」を導入したNTT。優秀な人材が米テック大手「GAFA」に流れるのを防ぐためにも、現行の在宅を基本とする働き方を維持する。
海外では米金融大手JPモルガン・チェースは一部の管理職に対し週5日出社を要請した。その他の社員にも最低週3日の出社を求めたという。米ウォルト・ディズニーも週4日出社を求めた。出社と在宅との最適なバランスを米企業も模索している。
コロナ禍は在宅勤務自体が難しい企業規模や業種も浮き彫りにした。
8日、東京・大田区の中小企業が集積する箇所の人流を調べたところ、コロナ禍前からほとんど変化がなかった。中小企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れや代替要員不足など、従業員が在宅勤務できる環境が整わない。
職種間や雇用形態間の格差も大きい。パーソル総合研究所が22年7月実施した調査では、IT(情報技術)系技術職やコンサルタントのテレワーク実施率は6割台だが、生産技術や生産管理などの職種は2割だ。同じ調査では非正規雇用の実施率15%に対し、正社員は25%と高い。
もっとも、コロナを契機に多くの働き手にとって在宅勤務は身近なものになった。日本生産性本部の23年1月調査によると、コロナ禍収束後もテレワークを行いたいかと聞いたところ、45.4%が「そう思う」と答えた。1年前の22年1月に比べ約10ポイント上昇した。
(日本経済新聞)