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【シリコンバレー=渡辺直樹】米新興企業のオープンAIは6日、生成AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を動かすための新しい技術基盤「GPT-4ターボ」を発表した。従来の16倍となる300ページを超える長い文書を扱えるようになり、2023年4月までの情報を反映した。外部の企業が同技術を使う場合の利用単価も2分の1から3分の1に引き下げ、連携するソフトをつくりやすくする。
同社は米西部カリフォルニア州サンフランシスコで開発者会議「オープンAI DevDay」を初開催した。サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は「チャットGPTの週間利用者数は約1億人に達した。オープンAIは世界で最も先進的で、広く使われているAIのプラットフォーム(基盤)だ」と強調した。
入力できるテキスト数が増えたことで、例えば本を1冊要約するといった操作も可能になる。文字による指示だけでなく、画像を読み込んで認識する技術のほか、回答を合成音声で読み上げる機能も搭載した。
またAPIと呼ばれる外部ソフトとの連携技術を使い、企業や個人の開発者が独自にカスタマイズしたAIをつくりやすくする。質問などの入力時にかかる単価を従来モデルの3分の1とし、回答を出力する際に半分にした。
11月末には「GPTストア」を開設し、外部の技術者が独自に改良したAIをアプリのように自由に公開できるようにする。利用者人数に合わせて収入を得られるという。アルトマンCEOはすでに約200万人の開発者がAPIの連携機能を使っていることを明かした。
講演にはオープンAIが資本・業務提携する米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOもサプライズ登壇した。引き続きマイクロソフトのクラウドインフラを提供し、「(AIの)学習と推論のため最高のシステムと計算能力を提供できるよう全力を尽くす」と話した。
オープンAIは初の開発者会議を開いた(カリフォルニア州サンフランシスコ)
技術者を集めて新しい技術を発表する開発者会議は米アップルや米グーグルなどの大手テック企業が毎年開催し、恒例イベントとなっている。
オープンAIは22年11月にチャットGPTを公開して以降、技術改良や機能追加を重ねており、生成AIをリードするスタートアップとして世界で動向が注目されている。技術イベントで広く外部企業との連携を進めることで、大手テック企業とならぶプラットフォーマーとしての存在をアピールする狙いだ。
生成AIをめぐってはグーグルが対話AI「Bard(バード)」を公開し、米アマゾン・ドット・コムはオープンAIのライバル企業となる米アンソロピックに最大40億ドル(約6000億円)を投資すると発表した。4日には米起業家のイーロン・マスク氏が立ち上げた新会社xAIを通じ、新しいAI「Grok(グロック)」を発表するなど開発競争が激しくなっている。
(日経新聞)