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デロイト、30年5月期「売上高1兆円に」 CEO表明、DXや脱炭素支援に商機 2023/05/24

デロイトトーマツグループが企業のデジタル化などを支援するコンサルティング分野を伸ばす。デジタルトランスフォーメーション(DX)や脱炭素対応の支援などの商機を取り込み、2030年5月期の売上高にあたる業務収入で現状の3倍となる1兆円をめざす。監査とコンサルなど非監査の分離については両部門の相乗効果が不可欠で、否定的な姿勢を示した。

監査やコンサルティングを手掛けるデロイトトーマツグループの木村研一最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞の取材に対して明らかにした。デロイトトーマツグループは世界で事業展開する大手会計事務所デロイトの日本のメンバー。木村氏は世界のデロイトの統括組織デロイトグローバルの戦略策定メンバーを務める。

木村氏は「2030年5月期に売上高1兆円をめざしたい」と語った。22年5月期は3129億円で、目標の実現には今後、年平均で16%の成長が必要になる。18年5月期から22年5月期までの年平均成長率は11%だった。

成長をけん引するのがコンサルだ。DXや環境対応の支援などが特に伸び代があるとみている。デジタル化の支援では競合であるアクセンチュアが強い。デロイトは人事コンサルの強みを生かし、システムの導入だけではなく人材の育成や組織づくりも含めて総合的に支援し、競合と差をつける構えだ。

業界では監査とコンサルなどの非監査を分離する動きが関心を呼んだ。財務諸表に誤りや不正がないか確認する監査は高い独立性が求められ、監査の顧客にコンサルを提供するには厳しい制限がある。4月に中止したものの大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)が監査と非監査を分離する計画を進めていたのは、こうした制約から自由になりコンサルの成長余地を広げる狙いがあったためだ。

これに対し、木村氏は「事業分離はせず、多様な専門分野を抱える今の形を堅持する」と語り、否定的な考えを示した。

木村氏はデロイトの監査シェアは多く見積もっても2割にとどまり、監査を提供していない企業は多いことから「非監査サービスの拡大に支障があるわけではない」と説明した。その上で「社会課題が複雑になるなか、異なる領域の専門家が集まっている方がサービスの幅が広がる」とも強調した。

さらに「監査の品質を高めるには、監査以外の専門知識が必要になる」とも語った。例えば、企業が計上するソフトウエアや「のれん」などの資産価値の評価、税金の支払額の妥当性の確認などで、IT(情報技術)や財務助言、税務などの各専門家のノウハウを借りることが不可欠だという。

監査では人手不足が共通の課題になっている。事業会社の経理部門や他のコンサル会社などへの流出が顕著なためだ。売上高1兆円に向けても人材確保が急務になる。積極的な採用拡大や育成、人工知能(AI)の活用による業務負担の軽減に取り組む。

人材のつなぎ留めに向けては働く人の成長環境を整える方針だ。デジタル技術やリーダーシップなどを学べる研修施設「デロイトユニバーシティ」を日本につくる構想を示した。海外では開設の実績がある。複数の専門領域を抱えることは、会計士が多様なキャリアパスを選びやすくなる点でも意義があるという。

(企業財務エディター 森国司)

(日本経済新聞)

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