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トヨタや三井住友が「水素ファンド」設立へ 280社連合 カーボンゼロ 2023/10/31

トヨタ自動車や三井住友フィナンシャルグループなど国内企業連合が投資会社と組んで水素産業の育成を後押しするファンドを立ち上げる。主に水素の製造・貯蔵施設といったインフラの底上げや関連技術を持つ新興企業に投資する。脱炭素達成に向けて日本企業の競争力強化を狙う。水素関連投資に特化したファンドは国内で初めて。

2050年のカーボンニュートラルを目指す政府は今後10年間で官民合わせて150兆円超の資金が必要になると試算する。このうち政府支援は約20兆円にとどまり、大半は民間マネーになる。企業連合は水素ファンドを民間主導の脱炭素投資の呼び水にしたい考えだ。

民間企業約280社で構成する「水素バリューチェーン推進協議会」がファンドを設立する。運営は主に国内投資会社のアドバンテッジパートナーズ(東京・港)が担う。24年の運営開始をめざす。協議会参加企業のほか、国内外の機関投資家などからも出資を募り、まず数百億円規模での始動をめざす。

先進技術を持つ海外企業なども投資対象に加えて、蓄積した知見を国内企業に還元する。1件あたりの投資額は数億〜数十億円になるもよう。ファンド運営期間は10年超を見込み、最初の5〜6年程度で投資する。将来は後続ファンドを順次立ち上げ、総額で数千億円規模に育てる構想を描く。

アドバンテッジのほか、三井住友DSアセットマネジメントもファンド運営を担う。アドバンテッジが投資先の選定や実行、事業拡大の支援を、三井住友DSがファンドの管理業務や投資後の環境面への影響評価をそれぞれ担当する。投資活動では協議会参加企業の知見も生かす。

水素は燃やしても二酸化炭素を出さず、石油などの化石燃料に代わる次世代エネルギーと期待される。協議会はトヨタ、三井住友FG、岩谷産業などが主導して20年に発足した。企業のほか、自治体なども参加し、現在の会員数は合計で約370社・団体にのぼる。

海外ではすでに水素産業への投資が本格化している。フランスでは21年に石油大手トタルエナジーズや産業ガス大手エア・リキードなどが主導して「クリーンH2インフラファンド」を立ち上げ、最終的な調達額は20億ユーロ(約3100億円)に膨らんだ。

協議会関係者によると、水素関連の先進技術を持つ日本企業は多いという。こうした企業に成長のためのリスクマネーを投じることで、将来、日本企業が水素をめぐる国際競争で優位に立てると期待する。

ファンド運営を担うアドバンテッジは1992年設立で、国内投資ファンドの草分けの1社。これまでプライベートエクイティ(PE=未公開株)投資が中心だったが、21年に再生可能エネルギーやサステナビリティー関連の投資事業に参入した。

(日本経済新聞)

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