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ハウステンボス、香港拠点の投資ファンドPAG系の特別目的会社に売却発表 2022/08/31

エイチ・アイ・エス(HIS)は30日、66.7%を出資するテーマパーク運営のハウステンボス(長崎県佐世保市)を香港拠点の投資ファンドPAG系の特別目的会社に売却すると発表した。九州の地元企業の持ち株と合わせた売却総額は1000億円規模となる。PAGは運営パートナーにマーケティング会社の刀(大阪市)を選定。将来の上場も視野に事業の拡大を目指す。

HISは9月末に持ち株すべてをPAG系の特別目的会社「PAG HTB ホールディングス」(東京・港)に666億円で売却。2022年10月期の単独決算に譲渡益として特別利益646億円を計上する見通しだ。九州電力など九州の地元企業5社が保有する残り33.3%の株式はハウステンボスに売却する。ハウステンボスが買い取る自社株の扱いは「現時点で未定」(HIS)という。

HISは政府の厳しい水際対策や円安の影響で得意とする海外旅行事業の落ち込みが長引いている。21年11月~22年4月期の連結最終損益は同期間として最大の269億円の赤字を計上した。10月27日の臨時株主総会を経て資本金の減資や資本準備金を取り崩すと決めており、ハウステンボス株の売却も併せて財務の立て直しを急ぐ。

ハウステンボスの経営を引き継ぐPAGは同日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)再建を率いた森岡毅氏が代表の刀に運営支援を依頼すると発表。今後5年で数百億円規模の設備投資を実行し、施設を刷新する。コロナ禍で127万人(21年9月期)に落ち込んだ年間入場者数を4~5年で250万~300万人規模に高める。

長崎県がハウステンボスを予定地として誘致を進める統合型リゾート施設(IR)については県と協力して計画を進めていく。国から選定された場合は敷地の一部をIR事業者に売却する方向だ。PAGは4~5年後を視野に事業拡大に一定のメドがついた段階で株式を売却して資金を回収。ハウステンボス株の上場も選択肢の一つという。

PAGは香港に本部を置き、日本ではグループ全体で累計300億ドル以上(約4兆1500億円)の投資実績がある。過去にはUSJの運営会社や中国・寧波均勝電子グループで自動車部品大手のジョイソン・セイフティ・システムズ(旧タカタ)などに投資した。

為替が1ドル=130円台後半という円安・ドル高水準で推移する中、日本企業の買収や不動産取得を手掛ける外資系ファンドにとって割安感が強まっている。不動産では香港系ファンドのガウ・キャピタル・パートナーズは今後2年で過去2年間の6倍超の最大5000億円強を投じる方針を掲げるなど、投資拡大の動きが広がっている。

(日本経済新聞)

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