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ブラックロックCEO「日本株に資金シフト」中国投資見直し、成長懸念 2023/06/21

世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、日本経済新聞の取材で「中国株から日本株に資金を移す動きがみられる」と述べた。背景には足元の景気減速にとどまらず、中国の中長期的な成長力鈍化への懸念がある。


フィンクCEO

ブラックロックは世界の投資家から約9.1兆ドル(約1280兆円)の資産を預かっている。政府系ファンドや年金基金、富裕層の個人をはじめ多様な顧客を持ち、世界の株式や国債、社債などで運用する投資信託を提供する。フィンク氏は世界のマネー動向を最もよく知る人物の一人だ。

日本株は4月以降、海外投資家の買い越し基調が続き、約33年ぶりの高値圏にある。フィンク氏は「(世界中の運用者が)中国への投資をどの程度行うべきか見直すなかで、日本株に資金を戻そうとしている」と語った。マネーシフトの理由に挙げたのは地政学リスクのほか、中長期的な中国経済の成長鈍化だ。

政府が新型コロナウイルス対策を転換し、経済再開を進めた中国に対する市場の期待は当初高かった。ところが「楽観論は覆されつつある」という。国内消費が市場の想定ほど回復していないためだ。フィンク氏はコロナ禍で貯蓄率が従来の約35%から50%程度に上がったと指摘したうえで「消費者がロックダウン(都市封鎖)時の不安をまだ抱いている」とみる。

企業が中国に集中していたサプライチェーン(供給網)の見直しを進めている。インドやベトナムなどに拠点が移ることで「投資家は中国の経済成長率が大幅に低下すると懸念している」と指摘する。中国政府は23年の国内総生産(GDP)成長率目標を5%前後としている。フィンク氏は中長期で「年5%の成長を続けられるとは思えない」と話す。

フィンク氏は運用者による中国投資の見直しで日本株は「勝者」になる可能性があると指摘した。一方で先行きを楽観視しているわけではない。「ラリー(株高継続)がどこまで確実なものか、現時点で言うのは早計だ」と述べた。ブラックロックは会社として日本株の投資評価を「アンダーウエート(少なめの資金配分)」としている。

海外勢の日本株買いは、従来少なかった日本への資金配分を徐々に増やしている段階ともいえる。フィンク氏は「海外投資家の需要だけでは、株高は続かない」としたうえで、国内投資家の買い需要が必要不可欠との認識を示した。少額投資非課税制度(NISA)拡充にも触れ、個人投資家の裾野拡大に期待感を表明した。

(日本経済新聞)

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