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ヘッジファンドの創業来利益、米シタデルが初の首位 計659億ドル 22年だけで160億ドル 2023/01/24

シタデルはケン・グリフィン氏が1990年に立ち上げた=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】英運用会社LCHインベストメンツは英国時間23日、世界のヘッジファンドが2022年末までに稼いだ利益の会社別ランキングを公表した。創業来の利益の総額(手数料控除後)では、米有力ヘッジファンドのシタデルが659億ドル(約8兆5000億円)と初の首位に立った。22年単年で約160億ドルを稼ぎ、ヘッジファンドが1年間で上げた利益としては過去最大になったという。

シタデルは著名投資家のケン・グリフィン氏が1990年に創業した。21年末時点のランキングでは500億ドルで2位だった。21年まで7年連続首位だったブリッジウォーター・アソシエーツは2位になった。シタデルの22年単年の利益額は、過去にブリッジウォーターが記録した金額や、リーマン危機前の07年に「サブプライムローン」関連証券の空売りで成功したジョン・ポールソン氏のファンドの記録を上回ったという。

シタデルは株式や債券、商品などに幅広く投資し、高度な数学的手法で分析するクオンツといった複数の投資戦略を手がける。22年は歴史的な高インフレや米連邦準備理事会(FRB)の急速な利上げで株式や債券の相場が大きく崩れるなか、空売りや超高速・高頻度の取引などを駆使して利益を積み上げたとみられる。

米メディアによると、同社はニューヨーク市中心部で建設予定の超高層オフィスビルの過半を占有する計画を持つなど、不況色の強まるウォール街でいま最も勢いのあるファンドとの見方で衆目一致する。資産の膨張抑制などのため、稼いだ利益の一部を投資家に戻すという。

創業者のレイ・ダリオ氏が運用の第一線から退いたブリッジウォーターは22年に62億ドルを稼ぎ、1975年の創業来の利益は584億ドルとなった。22年末時点の運用資産総額では同社がシタデルを上回る。創業来利益のランキングで3位のDEショー、4位のミレニアムも22年単年でそれぞれ80億ドル規模の利益を上げた。同6位で有力アクティビスト(モノ言う株主)として知られるエリオットも22年に28億ドルを稼いだ。

LCHインベストメンツによると、ヘッジファンド全体では22年に2080億ドルの損失が生じている。トップ級ファンドと他のファンドで運用成績の格差が際立つ。

同社のリック・ソファー会長は「22年は株式の(買いと空売りを組み合わせる)ロング・ショート型の運用者の多くが金利上昇の及ぼす影響の予測やヘッジ(回避)に失敗した」と指摘。シタデルなどの巨大ファンドが好調だった理由として「資産価格の上昇に頼らない戦略や最優秀の人材をひき付ける力、平均よりはるかに高いレバレッジ」などを挙げた。

LCHインベストメンツはエドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グループが運営し、ヘッジファンドに分散投資するファンド・オブ・ヘッジファンズの会社だ。ファンド各社との面談や経営報告書などに基づき推計したランキングを毎年作成している。

(日本経済新聞)

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