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三菱商事、国内最大級の脱炭素ファンド 新興に10億ドル 2023/05/01

三菱商事は脱炭素投資を加速している
(子会社のエネコが運営するオランダのデルフザイル・ノード発電所)

三菱商事は三菱UFJ銀行などと共同で、国内最大規模の脱炭素ファンドを立ち上げる。浮体式洋上風力発電や再生航空燃料(SAF)などで有望な技術を持つスタートアップ企業に計10億ドル(約1350億円)を投資する。出資先は関連技術で先行する欧米勢が中心になる見通し。三菱商事のネットワークを生かし、出資先と日本やアジア企業との事業連携につなげる。脱炭素の機運に弾みがつきそうだ。

三菱商事は三菱UFJ銀や韓国プライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドのパビリオン・プライベート・エクイティと共同で設立した運用会社を通じ、近く「丸の内クライメート・テック・グロース・ファンド」をつくる。三菱商事が数億ドルを投じるほか、三菱重工業などからも出資を募り、24年4月までに10億ドルまで増やす。事業会社が主導する脱炭素ファンドでは国内最大級となる。

三菱商事は運用会社に9割超出資しており、投資先の選定などを主導する。対象は再生可能エネルギーや次世代燃料、蓄電池などの領域で、主に技術開発を終えた商業化前の新興企業に出資する。

50年のCO2排出ネットゼロ実現には、22〜25年に平均年2兆ドル、26〜30年には年4兆ドルの投資が必要との試算がある。浮体式洋上風力や空気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する技術などに投資をするほか、出資企業との協業機会を提供して商業化を支援する。

三菱商事は30年度までに脱炭素関連で2兆円を投資する方針。22年には米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏の脱炭素ファンド「ブレークスルー・エナジー・カタリスト(BEC)」に1億ドルを出資した。BECと案件の発掘や投資などで連携することも検討しており、多額の投資で商機が広がる脱炭素で主導権を握りたい考え。

投資額は1社当たり2000万〜1億ドルを想定し、29年4月までに20社程度に出資する。環境技術で先行する北米や欧州の企業が中心となる見通し。商社が持つネットワークを生かして事業連携を後押しし、企業価値を高めた上で売却してキャピタルゲイン(売買差益)を狙う。

世界では脱炭素ファンドの立ち上げが相次ぐ。ソフトバンクグループやサウジアラムコ(サウジアラビア)傘下の投資ファンドは、電気を位置エネルギーに変えて貯蔵する「重力蓄電」を手掛けるエナジー・ボールト(スイス)に出資し、企業価値を2.5倍以上に高めて22年に上場させた。

(長谷川雄大)

(日本経済新聞)

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