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三菱UFJ亀澤社長、資産運用ビジネス「第4の柱に」 2024/01/10

三菱UFJフィナンシャル・グループは、資産運用事業を担う三菱UFJアセットマネジメントをグループの「第4の柱」に育てる。国内外の企業買収などを通じて運用資産残高を2030年3月末までに足元の2倍にあたる200兆円まで伸ばす。本業の稼ぎに占める資産運用・管理事業の比率も7%程度(23年3月期)から中長期で倍増させる方針だ。

亀澤宏規社長が日本経済新聞の取材に明らかにした。日銀がマイナス金利政策を解除するとの観測が広がり「金利ある世界」が近づく。政府は資産運用立国の実現を目指し、24年1月には新しい少額投資非課税制度(NISA)も始まった。亀澤氏は「資産運用立国に貢献するのが我々の責務だ」と述べ、銀行、信託、証券に続く第4の柱として資産運用が欠かせないとみる。

資産運用事業は世界でも大きな潮流だ。米モルガン・スタンレーはウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)などに力を入れ、ウェルス部門は利益の約半分を占める稼ぎ頭になった。米JPモルガン・チェースは地銀ファースト・リパブリック・バンクを買収した。

三菱UFJは商品開発を担う「上流」から販売にあたる「下流」までサービスを一気通貫で強化する。資産運用・管理事業の営業純益は23年3月期で1051億円で、全体に占める比率は7%程度だった。亀澤氏はこの収益比率について「倍にしたい」と述べた。

不動産やインフラなどプライベート(未公開)資産の運用強化のため資産運用会社などを買収する。亀澤氏は「未公開資産(の強化に)はM&A(合併・買収)を使う」と述べた。三菱UFJは19年に豪ファースト・センティア・インベスターズ(FSI)、23年に英アルバコア・キャピタルを買収し、さらなる海外企業の買収を検討する。

運用体制もテコ入れする。社債などをさす「クレジット」やオルタナティブ(代替)資産の領域では、運用を三菱UFJ銀行などから三菱UFJアセットマネジメントなどに資産を集約する。移管する資産の規模は今後詰める。亀澤氏は「同時に人も移す。信託と銀行で運用している資産をAMに集めていく」と説明した。

ファンドマネジャー自身も報酬の一部でファンドに投資して運用成績を顧客と共有する報酬制度も新たにつくる。ファンドの運用成績によっては巨額の報酬を得ることも可能になるという。若手の運用担当者らに運用を委ねる「EMP」と呼ばれる育成プログラムへの投資も強化する。亀澤氏は「買収した豪FSIなどのノウハウをいれて全体を強くしていく」と述べた。

日銀の金融政策については「個人的には24年の前半にはマイナス金利が解除されると思う」と語った。その場合、優良企業向け貸出金利や変動金利の住宅ローンの指標にあたる短期プライムレートの見直しが焦点になる。亀澤氏は状況を踏まえて判断するとしながら「一般論としては(短プラの引き上げは)イエスだ」と話した。

亀澤氏は「(金利上昇には)自然体で対応する」とした上で、貸出金利などの引き上げを巡っては「今まで以上に(顧客に)寄り添った説明が必要になる。行員への研修などでカバーしていく」と述べた。三菱UFJの国内外の貸出金利ざやは拡大傾向にあり、23年4~9月期で海外は前年同期比0.33%拡大の1.33%、国内大企業向けは0.07%拡大の0.6%となった。

三菱UFJの連結純利益は24年3月期に1兆3000億円と過去最高を更新する見込みだ。ただPBR(株価純資産倍率)は0.8倍台にとどまる。亀澤氏は4月から始まる新たな中期経営計画で「攻めの姿勢で収益や成長を取り込み、三菱UFJは成長銘柄だと思ってもらえるようにする」と述べた。自己資本利益率(ROE)は中長期で実現を見据える9〜10%に向け「ステップを刻まないといけない」と言及し、一段の引き上げを目指す考えだ。(中村雄貴)

(日経新聞)

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