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三菱UFJ銀、50歳以上の行員に社内FA制度 異動先募り配置 スキル活用、人材難備え 2023/11/30

三菱UFJ銀行は2024年、50歳以上の行員が自ら異動を志願して別の部署で働けるようにする制度を導入する。みずほフィナンシャルグループ(FG)は一定年齢で給与が下がる仕組みを撤廃する。従来は60歳以上を再雇用してきたが、「金利ある世界」になれば人手不足も背景に融資や運用はこれまで以上に難しさを増す。経験や知識のある50歳代を幅広い職場で生かす必要がある。

50歳代などの活用が待ったなしなのは、日本の銀行員が減り続けており、今後さらに人手不足が深刻になるためだ。

全国銀行協会がまとめた加盟行の職員数は23年3月末時点で約26万人とマイナス金利政策導入後の16年3月末から約3万人(約1割)減少した。3メガバンクは16年に新卒を合計約5000人採用していたが、低金利下で採用を抑制し、近年は1000人台にとどまっていた。今後バブル期の大量採用世代の退職も待ち受ける。

銀行員は支店長や役員らを選抜する過程で、40歳代後半から順次関連会社や取引先の企業に出向・転籍するのが一般的だった。ただ採用の抑制もあり出向・転籍を加味しても社員に占める中高年の比率は高まる見通し。ある大手金融機関は30年ごろに60歳以上の社員の比率が1割を超すとみる。こうした人材を職場でどう生かすかが業界全体の課題になっている。

三菱UFJが導入するのは「シニアFA(フリーエージェント)制度」。まず本部の50歳以上の2500人規模を対象に働きたい部署や分野の希望を募る。応募者には業務経験やスキル、アピールポイントなどを書いてもらい、人事部が本部や支店に応募者の一覧を匿名で通知する。その後、マッチングや個別の面接などを経て異動を決める。給与は異動後の職位に基づく。

これまでも銀行業界では社内の公募制度の一環で中高年が応募できる枠組みを設ける例はあったが、三菱UFJのように50歳以上に特化して異動先を募る仕組みは珍しい。従来の公募は若年層に偏りがちだった面もある。三菱UFJは「FA制度」をテコに、23年度に計100人以上の中高年が新たに希望する部署で働けるようにする。

他の大手行ではみずほFGが24年度に、55歳になると一律で給与水準が下がる仕組みを撤廃する。60歳までは若手・中堅社員と同様の役割給制度に基づき給与を支払う。職務によっては60歳まで給与水準が増加し続ける可能性もあるという。

りそなグループは60歳定年制を延長し、最長で65歳まで選べるようにした。再雇用制度を使えば、定年を迎えても70歳まで働くことができるようになる。

地方銀行でも中高年の活用が進む。京都銀行は55歳以上向けの専門職制度を創設し、IT(情報技術)・デジタル分野などに知見のある行員を選任している。群馬銀行などで役職定年を廃止する動きもある。

銀行では中途採用も増えるなか、活躍できる人材を年次を問わず配置できるようにする仕組みの重要性が増す。金利上昇を知らない若手などの業務をどうカバーするかも求められている。「金利ある世界」で銀行の稼ぐ力を高めるには中高年の活用が欠かせない。

(中村雄貴)

(日経新聞)

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