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中国、新卒の就職難 一段と 若年失業率 今夏20%予測 高学歴、コロナ行動制限で 2022/05/07

【北京=川手伊織】中国で大学の新卒の就職活動が一段と厳しくなっている。高学歴化で新卒が前年より2割増える一方、政府の業界規制や新型コロナウイルス対策の行動制限で求人が減ったためだ。この夏の卒業シーズン後の若年失業率が20%に達するとの試算もある。若者の雇用が不安定だとスキルの蓄積が進まず、中長期的な経済成長に影を落としかねない。

「新型コロナの感染再拡大で就活の計画が完全に狂ってしまった」。北京市内にある語学系大学の修士3年の譚さん(25)は焦りを隠せなかった。

天津市での公務員勤務を目指し、3月の採用試験に向け準備してきた。ところが新型コロナのまん延を理由に試験は延期になった。新たな日程は決まっていない。

上海での都市封鎖(ロックダウン)など3月から中国各地に広がった「ゼロコロナ規制」が若年雇用を直撃している。3月の16~24歳の若年失業率は16%で、前月から0.7ポイント跳ね上がった。全体の失業率(5.8%)を大きく上回る。

6月の卒業を控えて就活に専念する学生らも苦しんでいる。人材会社の智聯招聘によると、1~3月の新卒への求人数は前年同期より4.5%減った。

特に政府が2021年以降、規制を強化した業界で採用ニーズがしぼんでいる。中国メディアによると、不動産業の求人は2月の春節(旧正月)明けの時点で前年同期比3割減った。学習塾業界も3月の求人が前年同月に比べ半減した。

人材の入れ替わりが激しいIT(情報技術)業界は相対的に求人が多いが、それでも1~3月の新卒向け求人は前年同期より2%近く減った。

こうした「大卒余り」の背景には進学率の上昇という構造要因もある。22年夏に社会人となる大学生や大学院生は計1076万人で、前年を2割近く上回る見通しだ。留学生の帰国も増え、21年は初めて100万人を上回った。海外での新型コロナのまん延が主因だ。

新型コロナの感染拡大が始まり、雇用が悪化した20年、大学院への進学者は前年より22%増えた。政府が促したためだ。中国の修士課程は2~3年で、23年以降も就活に参加する学生の規模は膨らむ見通しだ。

若年失業率は、新卒生が労働市場に入る夏場にその年のピークとなる傾向がある。20年は7~8月、16.8%に上がった。22年は3月の時点でこれに近づき、夏には「最高で20%に達する」(丸紅中国の鈴木貴元・経済調査総監)という予測もある。

経済成長が鈍り、先行き不安が高まるなか、学生も職探しで安定志向を強める。智聯招聘によると、足元で学生が重視する項目として「給料・福利厚生」(65%)が最多だが、21年より3.5ポイント低い。対照的に「ワークライフバランス」(39%)や「安定」(36%)の比率が高まった。国有企業で働きたいという学生も増えた。

なお進学で時間を稼ぐ動きもある。修士課程を修了する学生のうち11%は「博士課程などで引き続き勉学に励む」と答えた。21年の4%から大きく増えた。給与など待遇が自らの要求とかけ離れているため、内定を辞退する学生も少なくない。

(日本経済新聞)

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