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世界で未上場企業の大型化が進んでいる。2021年に企業価値が100億ドル(約1.1兆円)を超える「デカコーン」になった企業数はハイテク関連を中心に倍増した。高い利益率への期待からファンドの資金が流入している。実力以上の評価を受ける企業もあり、過熱感が出ている。
デカコーンは企業の価値を示す評価額が10億ドルを超える「ユニコーン」に、10倍を意味する国際単位の「デカ」をつけた造語。米調査会社クランチベースによると、21年11月中旬時点でデカコーンに達した企業は30社。20年は15社だった。
21年にデカコーン入りを果たした企業をみると、米国のハイテク企業が目立つ。米ノーション・ラボは表計算や作業管理といった複数のツールを共有し、作業を効率化するアプリを手掛ける。テレワーク需要を追い風に評価額は102億ドルまで増えた。
米セラシオはアマゾン・ドット・コムの電子商取引(EC)サイトに出品している業者を買収し、販売方法や供給網を改良して経営効率を高める手法で急成長。18年の創業から3年で評価額は100億ドルに達した。フィンテックの米ブレックスは123億ドル、個人投資家から人気のオンライン掲示板を手掛け、近く新規株式公開(IPO)を予定する米レディットも100億ドルだ。
英レボリュートの評価額は1年前から急成長した=ロイター
米国以外でも欧州や中国で急成長を遂げる企業が増えている。オンライン決済や送金サービスを手掛ける英レボリュートの評価額は330億ドルと、1年前(55億ドル)から急成長。オーストラリアのオンラインデザイン作成のキャンバも400億ドル、「中国版インスタグラム」と呼ばれる小紅書(RED)も200億ドルの高評価を受ける。日本で最も評価の高い未上場企業は人工知能(AI)開発のプリファード・ネットワークスで評価額は3500億円程度だ。
デカコーンは07年、マイクロソフトからの投資を受け150億ドルに達した米フェイスブック(現メタ)が初めてとされる。動画共有アプリ「TikTok」の中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)など評価額が1000億ドル超の「ヘクトコーン」も登場している。
未上場のハイテク企業に資金が流れ込む背景には、高い利益率への期待がある。米金融調査会社ヤルデニ・リサーチによると、S&P500種株価指数の構成銘柄の21年7~9月期の営業利益率は、IT(情報技術)が23%、コミュニケーションサービスは17%。資本財(7%)や素材(12%)などに比べハイテク関連の高さが目立つ。
米株式市場でもハイテク株が相場をけん引するなか「乗り遅れることを恐れる心理から、プライベートエクイティ(PE)やヘッジファンドのマネーが大量に流入している」(クランチベースのジーン・ティアー氏)との指摘もある。
創業間もない企業は投資がかさみ、財務基盤が脆弱なことが多い。国内外の未上場企業に投資するファンドを組成するHiJoJoパートナーズのスピリドン・メンザス代表は「企業価値の詳細な分析まで踏み込まない投資家もおり、実力以上に評価されている企業も散見される」と話す。
(日本経済新聞)