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個人金融資産2000兆円時代 30年で倍増も米の背中遠く 2021/12/20

個人の金融資産が年内にも2000兆円を突破する見通しだ。ここ数年は保有株の値上がりも追い風になり、30年前から倍増した。ただ半分強を現預金が占め、国際的にみて安全志向は突出して強い。株・投資信託が金融資産の半分を占める米国は30年で6.7倍に増えた。日本の家計は株高の恩恵を受けづらく、企業にもお金が巡りづらい構図になっている。

日銀が20日発表した9月末の個人の金融資産残高は1999兆8000億円と、過去最高を更新した。増加は6四半期連続で、この間に183兆円増えた。10月以降も米国株高や円安が続き、投信の価格は値上がりが目立っている。12月にはボーナス支給もあり、金融資産は2021年中に2000兆円の大台を突破する公算が大きい。

金融資産がはじめて1000兆円となったのは1990年だった。それから30年あまりで倍増した。賃金がほぼ横ばいにとどまるなか、将来不安から消費を抑え、預金に回す傾向が続いた。高齢化が進み、50歳代以上といった預金の多い世代が増えた面もある。金融資産の名目国内総生産(GDP)に対する比率は90年に2倍強だったが、いまは3.7倍に膨らんだ。

現預金は1072兆円と資産の54%を占める。過去30年間(48~55%)の上限に近い。株と投信の比率は15%と横ばいが続く。国民資産全体でみれば、貯蓄から投資の流れは鈍い。

米国の個人金融資産は114兆ドル(約1京2900兆円)で、国民1人あたりでみても約2.5倍の資産を持つ。金融資産の半分強が株と投信で、株高が国民の資産や消費を押し上げてきた。日本の金融資産は約30年で2倍になったが、米国は6.7倍に膨らんだ。家計マネーが新興企業などにも向かいやすく、イノベーションの素地にもなっている。

日本では家計の潤沢な預貯金は国債に向かっている。2013年以降、日銀が大量に国債を買った結果、銀行の余剰資金は日銀の当座預金にも向かったが、間接的に多くの資金が国債に回っている状況は変わらない。新型コロナウイルスが流行したあと、政府・日銀の資金繰り支援で融資は増えたが、成長投資に向けた資金需要は鈍い状況が続く。

ただ株高基調が続いたことで、若者を中心に変化の兆しもある。日本株のほか、米国株を組み込んだ投資信託などに投資を始める機運が広がりつつある。株と投信の保有額は307兆円と3年ぶりに過去最多となった。少額投資非課税制度(NISA)など制度面の後押しもあり、貯蓄から投資への流れは緩やかながら進んでいる。

(日本経済新聞)

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