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公益重視の新たな会社形態 政府検討、短期利益偏り修正 2022/05/16

政府は環境問題や貧困など、社会的な課題の解決を事業の目的とする新たな会社形態の設立に向けた検討に入る。定款などで社会貢献を担うと明示した企業を認定するといった形を想定する。6月をめどに決める「新しい資本主義」の実現に向けた計画の柱の一つとなる。短期の利益追求への偏りを修正し、公益を担いながら成長する企業を育てる。

米国などで法整備が進む「パブリック・ベネフィット・コーポレーション」(PBC)を参考に制度設計に入る。PBCは株主の利益だけではなく、公益に資する事業に率先して取り組むと明示した会社形態を指す。企業は貢献を目指す公益を定め、経営陣はその公益と株主の利益とが釣り合うように経営する。

企業にとっての利点は、短期的な利益を求める株主の意見にとらわれすぎず、中長期的な社会課題の解決を目指す事業に投資できることだ。例えばスタートアップの経営者は株主と対話する際に、中長期的な社会貢献を目指すことを会社の目的として説明しやすくなる。ESG(環境・社会・企業統治)マネーの受け皿になる期待もあり、米国ではグーグルも投資対象として注目している。

政府は新しい資本主義の計画で制度検討の方針を示す。今夏にも関係省庁で議論を始め、2023年以降に法整備を含めた対応を視野に入れる。認定などのための新法も選択肢の一つとなる。

米国では会社法が州法となっており、10年にメリーランド州が初めてPBCに関する法律を整備した。その後、40近い州で立法化された。制度の詳細は州によって違うが、定款にPBCであることの明記を求めるほか、取締役の義務として株主だけでなく「公共の利益の遂行を考慮すべきだ」と明記する州法もある。

PBCの取締役は株主以外の利害関係者の利益を考慮する必要がある。米国ではアウトドア用品のパタゴニアや、メガネ販売のワービー・パーカーなどが知られる。ワービーは顧客がメガネを1つ買うたび、経済的に恵まれない人に1つメガネを無償などで提供する。

フランスも19年に新たな会社形態「使命を果たす会社」を法改正で新設した。定款に会社目標を含め、そこに向かって経営したかを第三者が監督する仕組みをとる。英国とドイツもそれぞれ独自の制度を持つ。

新しい資本主義の骨子案には、脱炭素に向けて社会構造を変革するグリーントランスフォーメーション(GX)を進める方針も記した。大規模な基金を新設し、長期にわたり次世代送電網や省エネルギー住宅などへ企業や家庭の投資を促す仕組みを設ける。貯蓄から投資への移行も推進する。少額投資非課税制度(NISA)の拡充をめざす。

(日本経済新聞)

企業、ESG時代「第3の道」 公益重視の新しい会社形態 2022/05/16

政府が社会課題の解決を事業目的とする会社形態の創設の検討に入ることが分かった。企業は近年、脱炭素や格差是正といったESG(環境・社会・企業統治)の視点を求められるようになった。採算を見込みづらい事業であっても、収益と社会課題解決の両立をめざす第3の法人形態を整える。制度設計には会社法など既存の法体系との整理が求められる。

「株式会社と非政府組織(NGO)などとのすき間を埋める、新しい制度となる」。政府関係者は日本で議論の参考にする米国の「パブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)」に触れて、こう話す。

米国では2010年にメリーランド州が初めてPBCに関する法律を整備し、40近い州も立法化した。制度の詳細は州によって異なるが、定款にPBCであることの明記を求め、取締役の義務として株主だけでなく「公共の利益の遂行を考慮すべきだ」と記す州法もある。フランスは19年に新たな会社形態「使命を果たす会社」を創設し、英国とドイツも独自の制度を持つ。

岸田文雄政権の経済政策は、社会課題を「障害でなく成長のエンジン」としてとらえる。さまざまな課題には民間の事業につながるニーズがあり、解決方法を示せば、マーケットは広がるとみる。行政が主に担ってきた役割を、民間にも広げて投資を呼び込む。

株式会社は一般的に、株主価値の最大化を目的とする。社会的意義があっても不採算事業であれば、株主から追及されることがある。NGOや社団法人などは行政とつながりがある分、意思決定は遅くなりがちで技術革新も生まれにくいと指摘される。政府は、こうした法人形態の空白を埋める議論に着手する。

岸田政権が主な政策ターゲットとするのはスタートアップで、若い起業家にはESGにつながる事業を展開したいとの思い入れは強い。第3の法人形態の導入で、社会課題を解決する起業家の増加を期待する。

(日本経済新聞)

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