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円、20年ぶり安値 一時126円台 資源高、資金流出続く 消費に打撃の恐れ 2022/04/13

13日の外国為替市場で円相場は対ドルで一時1ドル=126円台前半まで下落した。約20年ぶりの安値となった。止まらない下落は資源高によるマネーの海外流出を、輸出増加でカバーできない経済構造に変化したことが大きい。経常収支の赤字が定着するとの見方も浮上。金融緩和をやめられず、国内外の金利差拡大も続く。エネルギー価格が高止まりし円安も続けば、個人消費への打撃となる恐れがある。

13日午後に円安が加速したのは、同日の信託大会で日銀の黒田東彦総裁が「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言したことがきっかけだ。米国などが金融引き締めに動き金利の上昇の勢いが増すなか、金融緩和を続ける日本では低金利が続く。内外金利差が広がるとの読みが一段の円売りを招いた。

2015年6月に付けたアベノミクス後の最安値を下回り、02年5月以来の安値を付けた。2月末の1ドル=115円から1カ月半で10円超も下落した。

為替はおよそ20年前の水準にあるが、資源の輸入拡大など日本の経済構造は当時から大きく変わった。円に下落圧力がかかりやすくなっている。

理由の一つが経済活動に伴う日本から海外へのマネーの流れだ。貿易・サービス収支は02年に6.5兆円の黒字だったが、21年に2.5兆円の赤字となった。ロシアのウクライナ侵攻を受けた原油など商品価格の上昇を受け22年にモノやサービス、利子・配当金の海外とのやり取りなどを示す経常収支が赤字になりかねないとの見方が浮上。年間で赤字に転じれば1980年以来42年ぶりだ。

経常赤字になると国内に入るお金より、モノを買うため海外に支払うお金が多い状態にある。海外に払うには自国通貨を外貨に替える必要があるため、日本円を売って外貨を買うことになる。円安圧力がかかりやすい。

製造業は生産拠点を海外に移した。企業の海外生産比率は02年度は17.1%だったが、19年度は23.4%に拡大。国内からの輸出は減った。海外子会社からの配当などは増加しているが、円に転換されず、外貨のまま再投資される傾向が強い。訪日外国人による円買いの動きも新型コロナウイルス禍で急減した。

円安が輸出型の大企業の業績を押し上げ、国内の設備投資を増やすプラスの効果は低下している。大和証券が主要上場200社を対象に利益の為替感応度を集計したところ、ドルに対し1円円安が進んだ場合の経常利益の押し上げ効果は22年度は0.43%と、09年と比べ半減した。原油高の下では輸入物価の上昇で中小企業の業績が悪化し、個人消費が低迷するマイナスの効果が目立つ。

止まらない円安に政府も神経をとがらせている。鈴木俊一財務相は13日夕、「為替の安定は重要。特に急激な変動は大変問題がある」と財務省内で記者団に答えた。

しかし、円安圧力を反転させる政策の対応は容易ではない。

日銀が緩和路線を修正するとの見方は少ない。賃上げによる需要増が物価上昇を生む好循環は生まれておらず、緩和を弱められない。

円買い為替介入の観測も浮上するが、構造的に円安になりやすいなかでは効果は持続しにくい。インフレに悩む米国では輸入物価を抑えるドル高は歓迎の姿勢で、協調介入のハードルは高い。

みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「貿易赤字の主因は原子力発電所の停止によるエネルギー輸入の増加。円安を止めるために原発を再稼働すべきだという意見は今後、強まる」と話す。もっとも原発再稼働は政治的な合意のハード

働は政治的な合意のハードルが高い。

(日本経済新聞)

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