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出社×在宅、探る共存 5類移行後も4割併用 残業・飲み会は減少 2023/07/30

新型コロナウイルス禍で変わった働き方は経済の正常化に合わせて元に戻るのか。日本経済新聞の読者調査では、6月時点で4割近くの人が出社とテレワーク(総合2面きょうのことば)の併用を続けていた。オフィス街の人流データからは、出社時も残業や飲み会をせずに早く帰る傾向も浮かぶ。

政府は5月、コロナの感染症法上の扱いを季節性インフルエンザなどと同じ5類に下げた。法律に基づく行動制限はなくなり、感染対策は個人や企業の判断次第になった。

その後の6月、日経リサーチと共同で日経読者のビジネスパーソン850人の働き方を調査した。週5日以上出社する人は62.2%、IT(情報技術)やコンサルなどの業種に限ると33.9%だった。

全体として66.7%は5類移行後も在宅の頻度が変わっていない。東京・大手町に通勤する30代の会社員の男性は「コロナをきっかけに週2くらいで在宅勤務している。気分転換になるし、今後も続ける予定」と話す。

会議のオンライン化や資料共有のクラウドサービスが広がり、柔軟に働けるようになっている。今回の調査でコロナ禍を経た変化について聞いたところ「デジタル技術の活用で効率的になった」との回答が43.8%に達した。

暮らしぶりの移ろいは人流データでも明らかだ。NTTドコモの携帯位置情報に基づくドコモ・インサイトマーケティングの分析によると、金融機関などが集積する大手町駅周辺で6月の平日午前8時台の人出は2019年の8割の水準にとどまった。

人出の回復は特に午後7時以降が鈍い。職場に顔は出しても残業や飲み会をせず家路を急ぐ人が多いようだ。厚生労働省の毎月勤労統計でも直近5月の所定外労働時間は19年5月に比べ1割弱少ない。

札幌市や名古屋市、福岡市の中心部も午後8時台の人出はコロナ前より1割ほど少ない。どの都市もパンデミック1年目の20年に比べれば人出は増えているが、かつてのにぎわいは戻りきっていない。

リクルートワークス研究所によると、デスクワークが中心と考えられる労働者は国内に1573万人いる。3割が週1日在宅勤務するだけで、延べ500万人近くがオフィスから消えることになる。

このインパクトは小さくない。オフィスビル仲介大手の三鬼商事の調べで6月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は6.48%と、供給過剰の目安とされる5%を29カ月連続で上回った。横浜市や名古屋市、福岡市も5%を超えている。

もちろんテレワーク一辺倒では社会は回らない。リクルートHR統括編集長の藤井薫氏は在宅勤務などを併用した働き方について「人材の求心力を高める効果もある半面、マネジメントができないとかえって社員の生産性が下がる可能性がある」と指摘する。

対面での仕事の価値を改めて重視するようになった企業もある。5類移行に先立つ2月、GMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長はツイッターに「企業にとって最大のコロナ後遺症は在宅グセによるコミュニケーションの減少」と投稿した。今は出社を原則としている。

コロナが国内で広がり始めてから3年あまり。ビジネスパーソンが職場や周辺で長い時間を過ごすのが当たり前でなくなったが、働き方のバランスはなお手探りが続く。

(伊地知将史、中川万莉奈、データジャーナリスト 武田健太郎)

(日本経済新聞)

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