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台湾総統選、対中強硬派が勝利 世界で選挙イヤー幕開け 2024/01/14

台湾総統選の投開票が13日実施され、中国に対して強硬姿勢を貫く与党候補の頼清徳氏が当選した。ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢が混迷を極めるなか、東アジアや南シナ海周辺でも台湾を巡り、今後一段と米中対立が先鋭化し、不安定化する恐れがある。2024年は世界で重要選挙が相次ぐ。民主主義の価値観を共有する国・地域の連携の重要性はかつてなく増す。

台湾のトップを決める4年に1度の総統選は、与党・民主進歩党(民進党)から出馬した頼氏が当選した。頼氏は、現在の総統の蔡英文(ツァイ・インウェン)氏以上に対中強硬派として知られる。中国とは距離を保ち、米国との関係重視を訴え、勝利した。中国に融和姿勢をとる最大野党・国民党の候補、侯友宜氏を破った。

中央選挙委員会によると、投票率は71.86%に達した。得票率は頼氏が40.05%、侯氏が33.49%、第3政党の台湾民衆党の柯文哲氏が26.46%となった。

当選した頼氏は13日夜、台北市内で記者会見し「台湾は民主主義のパートナーと共に歩み続ける」と述べ、中国への反発を念頭に、米欧日などとの連帯を強調した。

開票速報をうけて盛り上がる民進党の支援者ら(13日、台北市)=遠藤啓生撮影
対中強硬派の頼氏の当選を受け、海外メディアも大きく報じた。英公共放送BBCは13日、頼氏のライバルの侯氏が敗北宣言すると「中国がトラブルメーカーとみなす頼氏が次期総統に決まった」と速報。「頼氏が蔡氏以上に中国との関係を悪化させる」とも指摘した。

仏紙ルモンドも、台湾総統選が「2024年の選挙の中でも最も重要な選挙の一つ」だと指摘し、頼氏は「(台湾)独立のための現実的な仕事人だ」と紹介した。

選挙結果を受け、中国も即座に反応した。中国外務省は13日深夜、声明を発表し、中国と対立する与党・民進党の頼氏の当選について「台湾情勢がどのように変化しようとも、台湾が中国の一部という基本事実は変わらない」と強調した。さらに「台湾問題は中国の内政問題だ。『台湾独立』分裂に断固として反対する」と言明した。

一方、米国はブリンケン国務長官が13日、声明を発表し、頼氏の当選に祝意を示した。頼氏らとの協力を「楽しみにしている」と強調し、台湾海峡の平和と安定の維持に取り組むとも訴えた。米政府は近く非公式の代表団を送る構えで、米台連携の確認を図る狙いとみられる。

日本も超党派の議員連盟「日華議員懇談会」が13日から訪台しており、与党・民進党政権の幹部との会合を調整し、連携強化の確認を図るものとみられる。

ただ、頼氏の当選阻止を狙い、「独立分子」「トラブルメーカー」などと名指しし、警戒してきた中国の圧力強化は今後避けられそうにない。中国は台湾統一を歴史的任務とし、その対極に、過去何度も「台湾独立」を公言してきた頼氏が座る。

頼氏が総統に就任するのは5月で、任期は28年5月までの4年間となる。中国は27年までに台湾侵攻の準備を整えるともいわれ、今後の4年間は台湾を巡る国際情勢がさらに緊迫化する恐れがある。

ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢が一段と複雑化するなか、今年は世界で70以上もの重要な選挙が実施される「選挙イヤー」となる。

今回の台湾総統選を皮切りに、2月のインドネシア大統領選、3月のロシア大統領選、4月の韓国総選挙、4〜5月のインド総選挙と、前半から各国で大型の選挙が続く。英国でも総選挙を控え、11月の米大統領選が今年最大の山場となる。

紛争が各地で起こり、ますます混迷化、不安定化する世界に歯止めをかけるため、有権者にとっても難しい判断を下す試練の1年となる。

(台北=羽田野主、ワシントン=坂口幸裕、北京=田島如生)

(日経新聞)

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