金融、コンサル、外資系の転職・求人なら人材紹介【アスパイア】

無料転職支援・
相談のお申し込み

簡単登録
(入力1分)
信頼度NO.1の人材紹介エージェント
  • pic

    U.S. President Joe Biden

  • pic

    White House - Washington D.C. United States of America

国際政治経済最新情報

International Political Economy Updates

大国衝突、漂流する世界 ロシアのウクライナ進駐 2022/02/23

ロシアのウクライナ進駐は明らかな国際法違反であり、決して許されてはならない。主要国は直ちに重い制裁を浴びせるときだ。

ロシアがウクライナに深く侵攻することも想定し、対抗策を強める必要がある。

第2次世界大戦後、世界は地域紛争が絶えなかったが、大国がぶつかる戦争はほぼ避けられてきた。今回の事態は、80年近くにおよんだ「平和の時代」が終わろうとしていることを意味する。

安定がほころんでいるのは、欧州だけではない。アジアでも中国が台湾海峡、東・南シナ海で軍拡に走り、北朝鮮が核ミサイルを量産する。

ロシアの全面侵攻を止められなければ、西側諸国の足元を見透かし、中朝も強硬な行動に拍車をかけるだろう。

では、主要国はどうすればよいのか。なぜ「平和の時代」が息切れしてしまったのか、その原因を見つめ、有効な手を打っていくことが大事だ。

いちばんの原因は、米国の体力と気力の衰えだ。米国は約10年前、もはや「世界の警察」ではないと宣言。外交や軍事力をアジアに傾け、対中戦略を最優先する路線を急いできた。

ところが、米国は中国の軍拡に追いつけず、アジアの軍事バランスは年々、中国優位に向かっている。通商でも、米国は環太平洋経済連携協定(TPP)から抜け、その空白を埋めるように中国が加盟を申請した。

米国は準内戦ともいえる国内分断に追われ、同盟強化への取り組みもおぼつかない。トランプ前政権は同盟をあからさまに軽視。バイデン政権はその再建を唱えるが、実質的には米国ファーストの路線に大差はない。

こんな状況をにらみ、中ロはさらに結束を誇示し、米国主導の秩序を壊しにかかっている。

核兵器の拡散も、世界の平和をむしばみつつある。冷戦中、米ソが圧倒的な核戦力を握り、良くも悪くも「恐怖の均衡」によって大戦争が防がれてきた。

この構図は崩れ、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮が核兵器を持つにいたり、米国の核抑止力に陰りがみえる。

これらの問題は長年にわたって堆積してきたもので、即効薬はない。ただ、1つだけ確かなのは、米国の同盟国が平和への貢献を格段に増やさなければ、世界の安定は取り戻せないことだ。

(日本経済新聞)

独立承認は国際秩序を踏みにじる行為だ ウクライナ情勢 2022/02/22

新ロシア派が支配する地域の独立を承認する文書に署名するプーチン大統領(21日、クレムリンで)=AP

とうてい認めるわけにはいかない。ロシアのプーチン大統領が21日、ウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配する地域の独立を承認した。平和維持を口実に同地域に派兵もするという。

2014年のクリミア半島併合に続いて、再び武力で現状を変更する試みだ。15年にドイツとフランスの仲介でまとめたロシアとウクライナの和平案「ミンスク合意」も事実上破棄した。

プーチン氏は、ウクライナへの西側諸国の影響力を排し、自らの「勢力圏」に置くつもりだろう。主権国家を蹂躙(じゅうりん)し、国際秩序を踏みにじる行為を見過ごすわけにはいかない。

冷戦が終結し、ソ連が崩壊して30年を超えた。再び高まる分断の危機に世界はどう立ち向かうのかが問われている。

ロシアはウクライナとの国境近くに10万人を大きく超える部隊を配備し、今も軍事的緊張を高めている。日本をはじめ西側諸国は何度も警告を発し、自制を促してきたが、受け入れられなかった。

国連憲章は「武力による威嚇または武力の行使を慎まねばならない」と規定する。違反は明確だ。国連安保理は21日、緊急会合を開き、この問題を協議した。いまこそ国際社会としてロシアの暴挙を弾劾し、決定の撤回を迫らねばならない。

プーチン氏には自分が誤りだったと思わせる代償を払ってもらう。バイデン米政権は21日、独立承認した地域との貿易や新規投資に米国人が関与することを禁じると発表したが、22日には追加措置も決める。日本も主要7カ国(G7)と連携して、相応の制裁に踏み切るべきだ。

懸念されるのは、親ロシア派が支配する地域の周辺に住む市民だ。進軍したロシア軍とウクライナ軍が交戦すれば人的、物的被害が膨らみかねない。

ロシアの大規模部隊も撤収しないままだ。米国連大使は21日、プーチン氏の決定について「さらなるウクライナ侵略に向けた口実作り」と非難した。今後ロシア部隊の動向を注視する必要がある。

本格的な軍事侵攻を許さないためにも、外交努力を惜しんではならない。国際社会は一致して毅然とロシアに立ち向かってほしい。ウクライナの独立が脅かされれば、「力による威嚇」が定着し、台湾を含めた世界に影響が波及する恐れがあるからだ。

(日本経済新聞)

menu