金融、コンサル、外資系の転職・求人なら人材紹介【アスパイア】

無料転職支援・
相談のお申し込み

簡単登録
(入力1分)
信頼度NO.1の人材紹介エージェント
  • pic

    George Roberts, founding partner of Kohlberg Kravis Roberts & Co.,

  • pic

    Blackstone CEO Steve Schwarzman 

投資ファンド業界最新情報

Investment fund industry latest information

慶大VC、社会課題解決に200億円ファンド 再生医療やAI 2023/10/31

慶応大学のベンチャーキャピタル(VC)、慶応イノベーション・イニシアティブ(KII)は、再生医療や人工知能(AI)など先端的な技術を活用して社会課題を解決するスタートアップに投資するファンドを設立した。運用額は200億円を見込み、大学系VCでは初の取り組みだ。企業成長と社会課題解決の両立を促す「インパクト投資」の波が新興企業にも広がってきた。

「KIIインパクトファンド」は2024年10月までに200億円を募る計画だ。このうち、かんぽ生命保険が100億円を投じる。政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)、第一生命保険、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、SMBC日興証券、野村ホールディングス、慶大も出資する。

運用資金の半分は医療・健康分野、残り半分はAI・ロボットを活用した生産性向上や脱炭素などデジタル・環境分野に投じる。運用期間は最大12年とし、創業間もない企業を中心に1社あたり5億〜10億円を25〜30社程度に出資する。慶大を含む大学発の技術など、研究開発型のスタートアップに幅広く投資する。

インパクト投資は環境や医療分野を中心に世界的に拡大している。ただ、実際に社会課題解決にどの程度貢献したのかなどを測定・開示する必要があり、収益化までに時間がかかるスタートアップへの投資はなお途上だ。

KIIのファンドはインパクト投資の国際的な測定手法を取り入れ、投資先の企業による課題解決の貢献度を可視化する。例えば創薬企業の場合、対象となる患者数や健康寿命の延長効果、医療費の削減効果などを少なくとも年1回算出する。投資リターンと社会課題解決が両立できていることを訴え、機関投資家のリスクマネーを呼び込む。

日本の大学などが得意とする再生医療といったディープテック(先端技術)分野は技術力や社会的価値は高いが、収益化に時間がかかるものも多い。KIIは新ファンドでこうした事業の成長を加速させ、世界的なスタートアップの創出などを目指す。

KIIは主に慶大発の研究成果を活用したスタートアップを支援するために15年に設立。これまでに2本のファンドで約150億円を運用して46社に投資した。医療やデジタル関連に強みを持ち、iPS細胞を使った創薬や再生医療を手掛けるケイファーマなど4社が新規株式公開(IPO)を果たしている。

(日本経済新聞)

menu