金融、コンサル、外資系の転職・求人なら人材紹介【アスパイア】

無料転職支援・
相談のお申し込み

簡単登録
(入力1分)
信頼度NO.1の人材紹介エージェント
  • pic

    U.S. President Joe Biden

  • pic

    White House - Washington D.C. United States of America

国際政治経済最新情報

International Political Economy Updates

日本の昨年GDP、4位転落へ 低成長のドイツと逆転 長時間労働・高齢化、生産性向上に後れ 2024/01/31

ドイツの2023年の名目GDP(国内総生産)が4.4兆ドルとなり、日本のGDPが世界4位に転落することが濃厚になった。ドイツ経済は低迷しているが、外国為替が円安になり日本のGDPがドル建てで目減りする。

00年にはドイツの2.5倍あった日本のGDPが逆転されるのは、金融緩和下で生産性の向上が滞ったことを映す。

30日のドイツ連邦統計庁の発表によると、23年の名目GDPは前年比6.3%増の4兆1211億ユーロだった。23年の為替の平均レートではおよそ4兆4500億ドルとなる。日本が23年通年のドル建てでドイツに並ぶには、2月公表の23年10~12月期が約190兆円に達する必要がある。前年同期比で3割増にあたり、ハードルは高い。

日本のGDPは2010年に中国に抜かれ、世界2位から3位に後退した。当時の逆転は実質で年10%の成長をしていた中国の伸びによるものだ。

今回の日独の逆転はともに低成長に陥るなかで起きる。ドイツはウクライナ危機に伴う高インフレと欧州中央銀行(ECB)による急激な利上げで23年は実質0.1%のマイナス成長だ。ドイツ経済諮問委員会によると経済の実力を示す潜在成長率で22年は0.4%で、0.5%だった日本を下回る。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介氏は、物価高と22年比での対ドルのユーロ高がドイツのGDPを押し上げたと分析する。ユーロの相場と日独の名目GDPに占める物価要因が一定だと仮定すると、1ドル=132円なら日独は同水準だったとみる。

日独の逆転を招いた円安は、日本経済が成長力の底上げを怠ってきたためでもある。この20年あまり金融緩和や財政出動による需要喚起に走り、産業構造の新陳代謝などは遅れてきた。その間、欧米の主要国は生産性を高めた。

国際通貨基金(IMF)によると、00年には日本の名目GDPが約4.9兆ドルで、ドイツの2.5倍あった。リーマン危機後の10年は日本が約5.7兆ドルで、差は縮まったもののドイツの1.7倍あった。

世界銀行の22年のデータをもとにすると、15~64歳の生産年齢人口1人当たりの実質GDPは日本が6万1600ドルほどで、ドイツより1割少ない。再逆転するには、生産性を高める地道な努力が必要だ。

日本は長時間労働に結果が伴っていない。経済協力開発機構(OECD)によると、1人当たり年間労働時間は22年に1607時間とドイツより2割多い。産業用ロボットの稼働台数の多さなど、充実したインフラを生かしきれていない。

日独とも高齢化が進み、労働力の不足による経済の下押し圧力は強い。再浮上には、同一労働・同一賃金の徹底などによるシニアの働き手の掘り起こしも欠かせない。半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)の九州進出のような、外資の一段の呼び込みも成長を左右する。

(日本経済新聞)

menu