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日立、全グループ37万人ジョブ型に 海外人材抜てき 2023/01/01

日立製作所はジョブ型雇用を全グループ会社に広げる

日立製作所は2024年度までに、職務内容に応じて人材を起用する「ジョブ型雇用」を全グループ会社に広げる。国内外の37万人に同じ雇用制度を適用し、海外子会社から優秀な人材を抜てきしやすくする。グローバル化やデジタル化など経営環境の変化への適応力を高める動きが加速する。

ジョブ型は欧米では一般的な働き方で、職務記述書(ジョブディスクリプション)で職務ごとに必要なスキルを明記する。賃金も基本的には職務に応じて決まり、需要が大きく高度な職務ほど高くなる。日本では職務を限定しない「メンバーシップ型雇用」が多い。幅広い仕事を経験する総合職型で、終身雇用と一体で運用されてきた。

世界の37万人が同じ雇用体系で働くようにし、日本特有の年功序列色の強い雇用体系などを是正する。日本人社員もグローバルな競争力が必要になる。

日立は国内上場企業で連結従業員数が2位。22年7月までに国内で働く本体の3万人にジョブ型を導入した。24年までに国内子会社120社の16万人に拡大する。すでに海外子会社の約620社の21万人はジョブ型で働いている。

全社でジョブ型を導入することで、世界各地のグループ会社や拠点で適材適所な人材配置をしやすくする。海外人材を登用する際、日本語が障壁とならないように日英版の資料を用意したり、通訳を付けたりして支援する。

日立は20年にスイス重電大手のABBから送配電部門を、21年に米IT(情報技術)企業のグローバルロジックを買収するなど海外M&A(合併・買収)を積極化している。ここ3年間で10万人超の海外人材が加わった。

日立の役員層に占める外国人の割合は22年10月時点で18%で、中長期的に30%に高める目標を掲げる。人事担当の中畑英信執行役専務は「ジョブ型で国境を超えた人事異動が進めば、買収した会社の従業員のモチベーション向上と日立グループへの融合につながる」と話す。

職務にあった人材を適切に配置するため、どの国にどんなスキルを持つ人材がいるかを把握できるようにする。経歴や技能、人事考課やキャリアの希望などを一元管理できるデータベースを整備しており、すでに25万人の登録が完了した。

ジョブと従業員のスキルとミスマッチングの解消に向けたリスキリング(学び直し)も重要となる。22年10月には従業員の仕事やスキルのデータを参考に、学ぶべき研修のコンテンツを推奨する人工知能(AI)システムを導入した。社員に自分のキャリアを考えてもらうための「セルフチェックシート」などのツールも活用している。

必要なスキルは社外にも公開し、デジタルトランスフォーメーション(DX)など専門人材を広く募る。日立は3年で3万人超のデジタル人材の獲得を計画している。ジョブ型の導入で専門人材を高い報酬で処遇しやすくなるため、AI技術者やデータサイエンティストなどの外部の優秀な人材の獲得にもつなげる。

日本経済新聞社が22年にまとめた「スマートワーク経営調査」によると、ジョブ型雇用について導入済み、または22年までに導入する企業は108社あった。将来の導入予定を含む合計は187社と23%にのぼり、日本企業にジョブ型雇用が広がってきている。

ジョブ型の導入は本社や主要子会社、管理職を中心とした取り組みが中心で、グループ全体に広げるのは珍しい。国内大手では連結の従業員の9割にあたる11万人にジョブ型を適用した富士通にとどまっている。

日本企業にはジョブ型の人事制度の設計や運用のノウハウが蓄積されていない。ジョブ型雇用を機能させるために、「グローバル化やDXなど企業の成長戦略に基づいて人事戦略を立てることが不可欠だ」(パーソル総合研究所の小林祐児上席主任研究員)との指摘もある。

(日本経済新聞)

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