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日米豪印で海洋監視 中国念頭「現状変更に反対」クアッド首脳声明 サイバー・宇宙で協議体 2022/05/25

日米豪印の4カ国の枠組み「Quad(クアッド)」は24日、首相官邸で首脳会議を開いた。

中国を念頭に海洋監視での協力を盛り込んだ共同声明を発表した。ウクライナ侵攻や中国の海洋進出を踏まえ、力による現状変更に「強く反対する」と明記した。宇宙やサイバー、高速通信規格「5G」などの連携を深めた。(関連記事総合2、政治・外交面に)

クアッド首脳会議を前に記念写真に納まる(右から)モディ印首相、岸田首相、バイデン米大統領、アルバニージー豪首相(24日、首相官邸)
岸田文雄首相とバイデン米大統領、インドのモディ首相、就任したばかりのオーストラリアのアルバニージー首相が出席した。クアッドは民主主義などの価値観を共有する友好国が中国の覇権主義的な行動を共同で抑える狙いがある。
岸田首相は会議冒頭で「ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章の諸原則への挑戦だ。インド太平洋地域で同じようなことを起こしてはならない」と述べた。バイデン氏は「我々はインド太平洋の大国であり、共通の価値観とビジョンのために立ち上がる」と語った。
今回の共同声明は過去3回の文書になかった安全保障に特化した章を新設した。クアッド首脳の共同文書では初めて「現状変更への反対」という文言を盛り込んだ。岸田首相は記者会見で「4カ国首脳が一致して世界に発信できたのは大きな意義がある」と訴えた。
声明は中国の海洋進出が活発な東・南シナ海について「ルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対抗する」とも強調した。
具体策として海洋監視の協力システムをあげた。違法漁船など沿岸警備に関する情報をインド太平洋地域の国で共有する構想だ。南シナ海で中国と領有権を争うベトナムやフィリピンなどとの連携を想定する。
声明は「海洋の安定や繁栄を促進する」との目標を掲げた。重武装化を進める中国の海警局船や漁船を装った海上民兵などを念頭に「海上保安機関の船舶や海上民兵の危険な使用」にも言及した。
中国が人工島を建設する南沙(スプラトリー)諸島などを想起させる「係争のある地形の軍事化」を批判する表現もあった。北朝鮮の核・ミサイル開発には国連安保理決議に基づいて挑発的な行動をやめるよう求めた。

声明はロシアと中国への名指し批判を見送った。安保分野の関係が深いロシアや、国境問題を抱える中国への刺激を避けたいインドの意向に配慮した。日本が提案した「台湾海峡の平和と安定の重要性」との文言は声明に入らなかった。
モディ氏の冒頭発言は「クアッドの決意と相互信頼に裏打ちされた活動は民主主義勢力の大きな力だ」という内容にとどまった。
日米豪は中長期的にインドの協力を引き出すために経済分野の成果も重視した。経済安保では5Gや半導体のサプライチェーン(供給網)構築で連携することを確かめた。サイバーセキュリティーに関する協議体を立ち上げ、電力などの重要インフラ防護で協力する。
宇宙分野では4カ国の衛星情報をインド太平洋地域の国々に提供し、海洋資源開発や気候変動対策に役立てると合意した。同地域のインフラ構築に5年間で500億ドル以上の支援を約束した。

(日本経済新聞)

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