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日経平均、バブル後最高値 「失われた30年」取り戻せ 2023/05/19

1990年8月以来およそ33年ぶりの高値で引けた日経平均株価(19日、東京都中央区)
空前の株高に沸く1980年代の東京。米ペンシルベニア大学のジェレミー・シーゲル教授は著書で当時の風景を描いている。株高の理由を米国要人に聞かれた日本人の答えは「株価を全く新しい手法で評価する時代に入った」。説明は論理を欠いていた。

世界の時価総額トップ10に日本企業がずらりと並んだ時代だ。それが未曽有のバブルだったことは歴史が示す。それから30年。バブルの後始末に日本は苦しんできた。

長期停滞に陥った日本は3つの「D」と呼ばれた。デフレ、積み上がる債務(デット)、少子高齢化が加速する人口構成(デモグラフィー)。そのうちの1つ、デフレを抜け出す機運を感じ、世界は日本の変化に視線を戻し始めている。

失われた30年は2つに分けてみる必要がある。不良債権処理に苦しんだ萎縮の20年。しかしそのあとは反転の10年だ。企業が経営努力を重ね、稼ぐ力をつけた。それが日経平均株価が3万円を回復する原動力となった。

ガバナンス改革により事業構成の見直しが進んだ。事業の選択と集中、積極的な買収も見られるようになった。経営効率を示す自己資本利益率(ROE)は10%に届くところまでになってきた。

しかし世界はそれよりはるかに速いスピードで変化し成長した。米国のアップル、マイクロソフト、アルファベット3社の年間純利益は合計32兆円。東証プライム上場の3月期決算企業すべてを足した利益総額の8割分に匹敵する。世界の時価総額トップ30に日本の1位のトヨタ自動車でさえ入らない。

日本の富を生み出すエンジン役は企業にほかならない。新たな事業分野に挑み続ける戦略投資が求められる。株式市場のPBR(株価純資産倍率)の低さは企業にもっと収益力を高めてほしいとのメッセージでもある。

設備投資や人への投資を先送りするデフレ心理を脱し、「攻め」の経営姿勢が必要だ。デジタル化の波は止まらない。人工知能(AI)など最先端の競争は激しい。脱炭素などエネルギー転換も必須だ。半導体を始め、世界の供給網でも日本が担うべき分野がある。

産業の新陳代謝が積年の課題だ。ユニコーンと呼ばれる有望な未公開企業がなかなか見当たらない。次の主役候補が次々と生まれて育つ資本市場に高める必要がある。

企業が利益を上げ、働き手に賃上げで報いる。持続的な株高となれば、家計資産にも恩恵が広がる好循環になる。

政府の役目も大きい。規制緩和で民間が挑戦しやすい環境づくりが必要だし、国家債務と人口構成という残り2つのDを反転させる施策が要る。

日本がバブルの亡霊に追われる時期は過ぎた。失われた30年を取り戻すときだ。むしろ今をスタート地点とし、日本再生の第2幕をここから始めなければならない。

(編集委員 藤田和明)

(日本経済新聞)

日経平均、バブル後高値を上回る 午前終値3万892円 2023/05/19

19日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前引けは前日終値比318円54銭(1.04%)高い3万0892円47銭で引けた。2021年9月14日につけたバブル経済崩壊後の高値(3万0670円10銭)を上回り、一時3万0924円57銭を付けた。企業業績の底堅さや資本効率の改善に対する期待から、日本株買いが続いている。

日米の金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いによる円安進行が輸出関連企業の業績を押し上げる。外国為替市場で円相場は1ドル=138円台で推移している。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは「好調な企業業績、低金利、旺盛な設備投資やインバウンド需要の回復など好条件がそろっている」と指摘する。

PBR(株価純資産倍率)1倍を下回る企業の構造改革期待を背景に、海外投資家による日本株買いが続く。中国などに比べ地政学リスクが低いとされる日本での半導体投資構想が買いにつながっている面もある。

日本取引所グループ(JPX)が18日発表した5月第2週(8〜12日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物株を5658億円買い越した。7週連続で購入金額が売却金額を上回り、買越額は累計で2兆8842億円となった。

前日の米株式市場では、米債務上限問題の懸念後退を受けてハイテク株などを中心に主要株価指数が上昇。こうした流れを受け、東京市場でも機械など景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買い優勢となった。一時3万0900円台を付けた後は上昇がやや一服し、3万0600円台〜3万0800円台で推移。過熱感を警戒した売りが上値を抑えている。

日経平均が終値で21年の高値を超えれば、1990年以来、33年ぶりの高値となる。日経平均は17日に1年8カ月ぶりとなる3万円台を回復。18日には前日比の上げ幅が一時570円を超える場面があった。東証株価指数(TOPIX)は16日にバブル後高値を更新し、33年ぶりの高値を付けた。

(日本経済新聞)

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