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株価時価総額最新情報

Stock price market capitalization latest information

日経平均株価、終値も史上最高値 836円高の3万9098円 2024/02/22

22日の東京株式市場で日経平均株価が史上最高値を更新した。終値は前日比836円(2%)高い3万9098円だった。企業の稼ぐ力の回復や脱デフレの期待などを背景に海外マネーが流入した。バブル期の1989年12月29日につけたこれまでの最高値(3万8915円)を上回り、初めて3万9000円台にのせた。

株価は企業業績を映す。日本経済新聞社が東証プライム市場に上場する3月期決算企業の業績予想を集計したところ、金融を含む全体で2024年3月期の連結純利益は前期比13%増え3期連続で最高益を更新する見通しだ。日本の脱デフレが注目され、海外投資家が日本株を再評価する動きが広がっている。

けん引役は自動車だ。トヨタ自動車は円安で輸出採算が改善。北米を中心に利益率の高い車種が売れている。生産を制約していた半導体不足も解消されてきた。24年3月期の連結純利益見通し(国際会計基準)は前期比84%増の4兆5000億円の見通し。22日には上場来高値をつけ、時価総額は57兆円を上回る。

値上げも稼ぐ力を高めている。製品やサービスに魅力があれば値上げが受け入れられると手応えを得た企業が増え、業績好調な企業も多い。内需では、経済活動の再開や訪日外国人客の需要を取り込む企業で堅調さが目立つ。上場企業の手元資金は100兆円規模に膨らみ、賃上げの余力は十分にある。賃金と物価の好循環に向けた期待も株高の追い風だ。

企業の統治改革の進展に注目する投資家も多い。地政学的に中国を避け、日本にマネーが向かう流れもある。時価総額では東京市場が上海市場を抜いて3年半ぶりにアジア首位に返り咲いた。国内では新しい少額投資非課税制度(NISA)が1月から始まった。貯蓄から投資に踏み出す家計の資金が株価底上げにつながっている側面もある。

(日本経済新聞)

「34年で株価10倍」142社 ゼンショーやレーザーテック 2024/02/23

【この記事のポイント】
・1989年末以降、株価を10倍にした上場企業は142社
・成長意欲ある創業者系を海外投資家が支える
・日本企業、資本効率重視の経営に転換

日経平均株価が22日、約34年ぶりに最高値を更新した。日本株には長期低迷のイメージがつきまとってきたが、この間に株価を10倍以上に伸ばした企業も142社あった。強い成長意欲を持った創業経営者たちを海外投資家が支えた。これまで足を引っ張ってきた大企業にも変革の機運がある。新陳代謝の進展が株高の持続力を左右する。

英スコットランドの古都エディンバラ。有力投資家が多く集まる運用の街に、突出したリターンで「失われた30年」を乗り越えた日本株ファンドがある。英ベイリー・ギフォードが1985年に運用を始めた投資信託「シン・ニッポン」だ。基準価格は配当込みで89年末から約5倍になった。

シン・ニッポンは日本の大企業への投資を避けてきた。運用を担当するプラビーン・クマール氏は「先見性があり野心的な創業者に魅力を感じる」と語る。毎年のように来日し、自分たちの足で高成長企業を探した。エムスリーやMonotaROなどを上場間もない時期から組み入れたことが高い運用実績につながった。

日本株相場の足を引っ張ったのは伝統的な大企業だった。代表格はPBR(株価純資産倍率)1倍割れの銀行だ。バブル崩壊後、不良債権など負の遺産の処理に追われた。一方、しがらみのない新興企業が創業者の強力なリーダーシップで業界秩序を突き崩し、高い成長をなし遂げている。

例えば牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングス。小川賢太郎会長兼社長が82年に創業し、97年に株式を店頭登録(2年後に旧東証2部上場)した。97年末の株価は株式分割などを考慮した実質ベースで約27円。そこから足元までで236倍になった。外食業界で初めて時価総額が1兆円を超えた。

ゼンショーは食材調達から製造、物流を自社でシステム化し、コストを抑える独自の仕組みを構築した。1つのシステムに牛丼やファミリーレストラン、回転ずしといった様々な業態を乗せ、スケールメリットを効かせている。人口減を見越して、国外でM&A(合併・買収)に乗りだし、海外1万店を達成した。

89年に札幌証券取引所に上場したニトリホールディングス、94年に広島証券取引所に株式を公開したファーストリテイリング――。株価を10倍以上にした142社をみると、日本経済がインフレからデフレへの転換後に急成長した企業が目立つ。徹底的な仕組み化とコスト競争力は、インフレ時代の再来でも強みとなっている。

日本でも突出した技術力で世界をリードするハイテク企業が生まれている。

90年に株式を店頭公開したレーザーテックは、半導体ウエハー向けの回路原版を検査する装置で世界100%のシェアを持つ。顧客である半導体メーカーの技術進化に対応した新製品を出し続け、「グローバルニッチトップ」の立ち位置を確立してきた。岡林理社長は「顧客の声に真摯に向き合いながら技術のタネをまいてきた」と振り返る。

「失われた30年」に急成長企業を裏で支えたのは、英ベイリー・ギフォードのような海外投資家だ。東京証券取引所の統計によると海外勢の株式保有比率は30%。銀行や個人など他の投資主体を抑えて首位になっている。85年当時は7%に過ぎなかったが、その4倍強に拡大した計算になる。

海外株主比率の上昇は、米欧年金基金など長期投資家が海外資産での運用を強化した時期と重なる。さらに90年代後半の会計ビッグバンで日本の会計制度の国際化が始まった。世界の投資家が日本企業の財務諸表を米国企業と同じ基準で見られるようになったことも大きい。

金融機関や事業会社が互いに株式を保有する「持ち合い」の削減が進み、海外投資家がその「受け皿」となった面もある。1985年度当時、事業会社と銀行、保険の3主体で日本株の66%を持っていた。バブル崩壊と株価下落で保有株に損失が発生し、一部放出を迫られた。3主体を合計した「安定株主」の割合は約30年で半減している。

海外投資家の台頭は日本企業の経営に透明性と資本効率重視の考え方をもたらした。

「海外投資家からの客観的な意見は経営に有益だ」。半導体製造装置ディスコの関家一馬社長はこう話す。外部の声を一部取り入れる形で、情報開示を拡充してきた。高い成長力に加え、透明性の高さも評価され、90年代に1ケタだった海外株主比率は4割まで高まった。時価総額は5兆円を超えた。

持ち合い解消は「岩盤層」を呼ばれるところまでメスが入りつつある。トヨタ自動車系がグループ内での持ち合い解消を進めている。不祥事に揺れた損害保険大手SOMPOホールディングスは傘下企業がもつ1.3兆円分の政策保有株式をゼロにすると表明した。市場は売却益を使った株主還元や成長投資に期待する。

米運用会社カナメキャピタルの共同創業者で、運用業界歴20年を超えるトビー・ローズ氏は「日本を代表する大企業であるトヨタがついに持ち合い解消に動いたことは大きい」と大きな期待を寄せる。海外勢など一般投資家の声が経営陣に届きやすくなり、自社株買いなど株主還元が増えるとみる。

安定株主の減少は経営に緊張感を生む。エレベーター大手フジテックが23年2月に開いた臨時株主総会では、海外アクティビスト(物言う株主)が推す社外取締役が選任され、総会後に創業家出身の会長が解職に追い込まれた。海外勢を含む一般投資家がアクティビスト側についたからだ。

課題は残る。日銀は上場投資信託(ETF)購入を通じて一部の日本企業の「筆頭株主」になっている。低収益企業を含む株式市場全体を買うインデックス運用が席巻し、市場の選別機能が損なわれているとの指摘は根強い。日本の個人投資家は米国企業の成長性に魅力を感じ、海外志向を強めている。

新興・中堅企業の台頭で新陳代謝が進めば、日本株市場の魅力は高まる。大企業経営者の世代交代が進み、M&Aや株主還元で前向きな動きが増えてきた。長期投資家は対話を通じて企業に持続的な成長を促し、企業もリターンで報いる。緊張感のある互恵関係が確立できれば、株高は息の長いものになる。

(日本経済新聞)

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