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東芝、買収案受諾を決議 国内連合が1株4620円でTOB 2023/03/23

【この記事のポイント】
・東芝の取締役会がJIP連合による買収提案受け入れ
・TOBに株主が応じれば非上場化されJIP下で改革
・混乱抜け出る契機になるか。振るわぬ本業、課題重く

東芝は23日、日本産業パートナーズ(JIP)などの連合による買収提案を受け入れることを取締役会で決議したと発表した。JIPが7月下旬をめどにTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株4620円で、買収額は2兆円となる。TOBが成立すれば、東芝は株式非公開化で上場廃止となる。2021年春に最初の買収提案を受けてから分割案などの曲折を経て、東芝の再編は大きな節目を迎えた。

買収目的会社にはJIPのファンドのほか、オリックスやローム、中部電力といった国内の事業会社17社、国内金融機関6社、海外事業会社や投資ファンドが普通株を出資する。そのほか国内事業会社や金融機関が優先株式や劣後債、融資の形で資金を拠出する。

JIPは今後、米国や英国、ドイツなどで海外の競争法や投資規制法に関連する手続きを進める。手続きが終わり次第、7月下旬をめどにTOBを始める。TOBは66.7%の応募を成立条件としており、TOBが成立すれば東芝株は上場廃止となる。

TOB価格は東芝株の23日の終値(4213円)を10%上回る。取締役会は価格について21年4月に最初の買収提案があった前の株価(3000円台)と比べると、他事例と比べて相応の上乗せ幅(プレミアム)があると判断した。

ただ第三者機関が将来の収益予測を基にした株式価値はTOB価格より高い試算もあった。そのため取締役会は企業価値の向上につながるとしてTOBには賛同するが、株主に応募を推奨することは23日時点ではしなかった。TOB開始までに応募を推奨するか改めて特別委員会に諮る。

東芝は15年に不正会計問題が表面化し、米原発子会社での巨額損失も加わって経営危機に陥った。2年連続の債務超過を回避するため、17年に約6000億円の増資をした。複数のアクティビスト(物言う株主)が株主となり、株主の意向で経営戦略が左右される状況が続いていた。

買収が成立すれば株主がJIP連合だけとなる。JIPは意思決定を速め、経営改革に乗り出す。

東芝は連結売上高の半分を発電機器やエレベーターといった産業インフラ関連が占め、パワー半導体などの電子部品が4分の1程度で続く。主力事業のハードディスクドライブ(HDD)などの不振で23年3月期は2度、業績予想を下方修正した。再び成長軌道に乗せるのは簡単ではない。

22年6月にはデータやデジタル技術を軸にインフラなど既存事業の収益性を高める中長期の事業計画を打ち出している。JIPは現在の経営方針を維持しながら収益改善につなげる方針。子会社の再編や部門横断で構成した組織の機能強化によって経営の効率化につなげる。

買収後の役員体制については未定で、買収完了後に協議して決める。現在の取締役には非公開化後に辞任することを求めるが、再任する可能性もあるとしている。

東芝は22年4月に株式非公開化を含む再編案の公募を始めた。入札を経て優先交渉権を得ていたJIPは同年11月に買収提案を出した。金融機関から融資の確約を得られたことを受け、23年2月に改めて最終提案を出していた。

(日本経済新聞)

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