武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長兼最高経営責任者（CEO）は10日、第23回日経フォーラム「世界経営者会議」で資生堂の魚谷雅彦社長と対談し、企業に活力を与える要素の一つとしてダイバーシティー（多様性）に触れ「会社として50年後、100年後存在し続けるために、ダイバーシティーはなくてはならないものだ」と指摘した。対談のテーマは「世界を舞台に成長する伝統企業　継承と革新のリーダーシップ」。

ウェバー氏はダイバーシティーの一例として、同氏のチームは40%が女性で10カ国の社員で構成されていることを紹介した

武田は2021年で創業240周年を迎えた老舗企業だ。いまだに治癒が難しい疾病の治療法を提供することを企業のパーパス（存在意義）として掲げている。ウェバー氏は「パーパスは企業のDNA。それを維持するのが重要だ」と話した。

競争力のある製品を生かして成長を加速するため、ウェバー氏は「新製品は世界中で販売することが非常に重要だ」と強調した。武田は19年にアイルランド製薬大手シャイアーを6兆円超で買収し、事業規模を拡大した。ウェバー氏は売上高の5割が米国であることを紹介し「我々は世界をまたにかけて上市していきたい」と話した。

（日本経済新聞）