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米のコロナ死者100万人に ワクチン未接種、死亡率高く 2022/05/13

【ニューヨーク=野村優子】米国の新型コロナウイルスの死者数が、累計で100万人を超えた。ワクチン未接種者の割合が他の先進国よりも高いことがあり、感染者数に占める死亡率は日本や英国を大きく上回った。米国では感染者数がじわりと増えているものの足元で新規死者数は低水準で推移しており、正常化に向けた動きは加速している。

バイデン米大統領が12日、米国の新型コロナ死者数が100万人を超えたと発表した。新型コロナ対策を話し合うオンラインの首脳会議にビデオメッセージを出し「亡くなった人々に敬意を表し、多くの死を防ぐためにできる限りのことをしなければならない」と述べた。

米政権は感染症対策のための世界銀行の基金に2億ドル(約260億円)を追加で拠出すると表明した。米政府高官によると、首脳会議を通して、ワクチンや治療薬、検査の普及のために世界各国から新たに31億ドルの資金援助が集まったという。

岸田文雄首相もビデオメッセージを寄せ、アフリカでワクチンなどの医薬品を生産する能力を高めるため、国際協力機構(JICA)を通じて最大2億ドルの支援を表明した。

米国では昨年秋、死者数が1918年に流行した「スペインかぜ」(約67万5000人)を上回り、新型コロナは米国史上最も多くの死者を出した感染症となった。2021年まで2年連続で、新型コロナに関連する死因が第3位となる。

米国の死亡率は、先進国のなかでも高い水準にある。英オックスフォード大の研究者らでつくる「アワー・ワールド・イン・データ」によると、11日時点で米国の死亡率は1.22%。世界平均(1.21%)もわずかに上回り、英国やフランス、日本など他の先進国と比べても高い。

背景にはワクチン接種率の低さがある。ワクチンの2回目接種を完了した人の割合は米国で66%と、日本(81%)やフランス(78%)、英国(73%)と比べて低い。米疾病対策センター(CDC)によると、ワクチン未接種者は2回接種済みの人に比べて死亡リスクが20倍高い。特に黒人の接種率が人種別で最も低くなるなど、格差も浮き彫りとなった。白人に比べて黒人が入院する比率は2.4倍、死亡する比率は1.7倍だった。

米カイザー・ファミリー財団(KFF)などは、新型コロナの死者のうち4分の1はワクチン未接種が原因だとする調査結果も公表した。ワクチン接種歴などをもとに「避けられた死」の総数を算出したところ、23万4000人にのぼった。

重症化リスクの低い「オミクロン型」の感染拡大もあり、重症化予防に有効とされる追加接種は進んでいない。18歳以上に占める追加接種(3回目接種)を完了した人の割合は5割未満にとどまる。米国ではオミクロン型の派生型「BA.2」と「BA.2.12.1」が新規感染の99%を占めており、感染者数はじわりと増え始めている。

一方で死者数は落ち着いている。直近の1日あたりの新規死者数(7日移動平均)は350人前後と、昨年7月下旬以来の低水準にある。バイデン政権のファウチ首席医療顧問は4月下旬、新たな入院や死亡の減少が続いていることを踏まえ、「米国はパンデミック(世界的な大流行)の段階から脱しつつある」と語っていた。

(日本経済新聞)

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