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米ファンド、中国売り鮮明 アリババ・百度大幅削減 メタなど巨大テック傾斜 2023/11/17

米国の有力ファンドによる中国リスク回避の動きが鮮明だ。16日までに「フォーム13F」の報告書として開示された9月末時点の株式などの保有銘柄を分析すると、不動産不況をきっかけに経済の先行き懸念が強まった中国関連株を売るなど守りの姿勢を固めていた。一方で巨大テックや半導体関連には買いが集まり、中国依存度の高いアップルが売られるなどの濃淡が見られた。

保有状況から浮かび上がるのは中国回避の動きだ。8月には中国恒大集団など不動産大手の信用不安が顕在化し、中国景気の冷え込み懸念が高まった。中国企業の米国預託証券(ADR)の値動きを示す米ナスダックのゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は7月末の高値から9月末に15%下落していた。

デビッド・テッパー氏率いるヘッジファンドのアパルーサ・マネジメントは中国インターネット検索の百度(バイドゥ)のADRを6月末比でほぼ半減した。ネット通販のアリババ集団の米国預託株式(ADS)や京東集団(JDドットコム)のADRも減らした。

米ヘッジファンド大手、タイガー・グローバル・マネジメントは京東集団のADRや求人アプリ運営の看準科技のADSの保有をそれぞれ5割減らした。ソロス・ファンドはネット通販大手PDDホールディングスのコールオプション(買う権利)も7割を手放した。

みずほ証券の王申申シニア中国株式ストラテジストは「中国景気や消費の減速懸念から特に電子商取引(EC)などが売られた」と話す。

米ハイテク大手への傾斜は強まっている。米サード・ポイントは、メタ株を新たに買い入れ、9月末時点で保有数は110万株に上った。さらにマイクロソフト株やアマゾン・ドット・コム株を買い増した。

巨大テックの中でも銘柄選別が見られた。アパルーサはアップル株48万株を全て売却した。ソロス・ファンドはアップル株で、現物株を上回る数のプットオプション(売る権利)を新規取得した。プットは株安局面で利益が出る。ピクテ・ジャパンの田中純平ストラテジストは「中国感応度の高い銘柄への警戒感が高まった」と指摘する。

半導体関連株を買い増す動きは強まった。タイガー・グローバルは半導体のエヌビディア株の保有を77%増やした。9月に上場した英半導体設計のアーム・ホールディングス株は30万株を新規取得した。レイ・ダリオ氏が創業した世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツはエヌビディア株を新たに買い入れた。

逆張り投資の動きもあった。「世紀の空売り」で知られる著名投資家マイケル・バーリ氏が率いる米サイオン・アセット・マネジメントは半導体株で構成するETFのプットオプションを新たに取得する一方で、アリババ、京東集団株を新規に買い入れた。

米長期金利は10月に5%台を付ける場面もあったが、足元では上昇が一服している。高PER(株価収益率)が多いハイテク株の割高感が薄れ、買い直す動きも出てきた。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは「これまで売られてきた地銀や小型株を物色する動きも出そう」とみていた。

(大道鏡花、佐藤日菜子)

(日経新聞)

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