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金融正常化へ一歩 日銀、マイナス金利解除 2024/03/20

日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策(総合2面きょうのことば)を含む大規模緩和の解除を決めた。植田和男総裁は同日の記者会見で「賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきた」と17年ぶりの利上げに踏み切った理由を説明した。「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」とも述べ、追加の利上げを急がない考えも示唆した。

2007年2月の利上げを最後に一貫して緩和を続けてきた日銀の金融政策は正常化へ一歩、踏み出すことになる。

日銀はマイナス金利の解除と同時に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃と上場投資信託(ETF)などリスク資産の新規買い入れの終了も決めた。マイナス0.1%だった政策金利は0~0.1%に引き上げた。日銀がマイナス金利を解除したことで、マイナス金利政策を採用する中央銀行は世界から消えた。

日銀は1%を長期金利の上限のめどとしていたが、撤廃後は金利変動を市場に委ねる。これまでと同程度の国債買い入れは継続し、金利急騰時は買い入れ額を機動的に増やす。

植田総裁は会見で、賃金と物価の好循環が確認できたことで「2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した」と説明。「大規模な金融緩和政策はその役割を果たした」とも指摘した。

今回の政策変更を受けて「預金金利や貸出金利が大幅に上昇するとはみていない」との認識を表明。今後の金融政策については「普通の短期金利を政策手段にしている他の中央銀行と同じように設定していくことになる」と語った。今後の利上げペースに関して「手元にある見通しを前提にすると、急激な上昇というのは避けられるとみている」と話した。

今後、「物価見通しがはっきり上振れる、もしくは中心見通しははっきり動かないまでも上振れリスクが高まる」ときに利上げを検討することになるとの見通しを示した。

日銀は黒田東彦前総裁時代の16年2月、デフレ脱却や円高の是正を狙ってマイナス金利政策を導入した。植田総裁は「(過去の異次元緩和の)遺産は当面残り続ける」と指摘。今後、異次元緩和で膨らんだ日銀のバランスシートの縮小を視野に入れていくとしつつ、具体的な時期は「申し上げられる段階ではない」と述べるにとどめた。

連合が15日発表した24年の春季労使交渉の第1回集計結果では、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率が平均5.28%となり、1991年以来33年ぶりに5%を超えた。植田総裁は第1回集計結果について「実際の判断の大きな材料にした」と明かし、企業の賃上げが政策変更を決める決定打になったと説明した。

今回の決定で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みは終了し、物価2%を安定的に超えるまでマネタリーベース(資金供給量)の拡大方針を続ける「オーバーシュート型コミットメント」の廃止も決まった。

異次元の金融緩和を掲げた黒田前総裁が退任し、植田総裁が就任したのは23年4月。学者出身の植田総裁に白羽の矢が立ったのは、10年超にわたる大規模緩和の手じまいを期待されたからだ。植田氏は1年足らずで、金融政策を正常化への入り口までもってきたことになる。

13年に始まった大規模緩和は事実上終了し、金融政策は正常化に向けて新たな段階に入った。

世界の中央銀行は08年のリーマン・ショック以降、新型コロナウイルス禍への対応を含め金融緩和と引き締めを繰り返してきた。一貫して緩和を続けてきた日銀が正常化に向かうことで、世界の金融政策にとっても転機となる。

(日本経済新聞)

日銀、マイナス金利解除 0~0.1%に利上げ 長短金利操作も撤廃 2024/03/19

日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決めた。マイナス0.1%としていた政策金利を0~0.1%程度(無担保コール翌日物レート)に引き上げた。長期金利を低く抑え込むための長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)や上場投資信託(ETF)などリスク資産の買い入れ終了も決めた。日銀の大規模緩和は大きな転換点を迎えた。

日銀は物価2%目標を持続的・安定的に達成できる見通しがたったと判断し、17年ぶりの利上げに踏み切った。新たな枠組みは19日以降、適用する。決定文ではマイナス金利解除後も「当面、緩和的な金融環境が継続する」とした。植田和男総裁が19日午後に記者会見し、決定内容を説明する。

日銀は2016年2月にマイナス金利政策を導入し、金融機関が日銀にあずける当座預金の一部にマイナス0.1%を適用してきた。マイナス0.1%を政策金利としていたが、無担保コール翌日物レートに変更した上で0~0.1%程度に誘導する。

16年9月に導入し大規模緩和の柱となってきたYCCも撤廃する。短期の政策金利をマイナス0.1%、長期金利の誘導目標を「ゼロ%程度」として、金利を低く抑えるために大量の国債を買い入れてきた。

日銀は撤廃後も「これまでとおおむね同程度の金額で長期国債の買い入れを継続する」とした。長期金利が急激に上昇する場合は毎月の予定額にかかわらず、機動的に国債買い入れを増やすといった措置をとる。足元で月間買い入れ額は6兆円程度となっており、今後は「ある程度の幅をもって買い入れの予定額を示す」という。

10年に始めたETFや不動産投資信託(REIT)の新規買い入れも終えた。償還されれば残高が減る国債と異なり、売らない限り残り続けるリスク資産を金融政策で中央銀行が買い入れるのは極めて異例だった。

日銀によると23年9月末時点の保有ETFの簿価は約37兆円で、株高を背景に含み益は足元で30兆円規模に膨らんでいる。REITは22年6月以降、買い入れを見送っており、市場に与える影響は限られそうだ。

金融政策決定会合のため日銀本店に入る植田総裁(19日午前)=代表撮影
日銀は2%物価目標を持続的・安定的に達成できる見通しがたてば、マイナス金利解除を含む緩和策の修正を検討するとしてきた。連合が15日発表した24年の春季労使交渉の第1回集計結果では、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率が平均5.28%となり1991年以来33年ぶりに5%を超えた。

足元では消費者物価指数の前年同月比上昇率が2%を超え続け、物価の押し上げ要因も一過性の原材料高から人件費を反映したサービスに移ってきている。

日銀は決定文で物価2%目標が「持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した」とし、マイナス金利などの枠組みが「その役割を果たした」と結論づけた。物価2%を安定的に超えるまでマネタリーベースの拡大方針を続けるという「オーバーシュート型コミットメント」も廃止した。

(日本経済新聞)

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