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首相、ウクライナ訪問 首脳会談へ 「G7で支援」伝達 中国仲介外交に対抗 2023/03/22

岸田文雄首相は21日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問しゼレンスキー大統領と会談する。主要7カ国(G7)の議長としてウクライナ支援(総合・経済面きょうのことば)の継続に向けて結束する意思を伝える。中国とロシアによる首脳会談の最中のキーウ入りには、中国の仲介外交に対抗する狙いもある。(関連記事総合・経済面に)

首相は日本時間21日午後7時ごろ、キーウに到着した。ゼレンスキー氏との会談に先立って多くの民間人が殺害されたキーウ近郊のブチャを訪れた。

教会で犠牲者を追悼して献花し「強い憤りを感じる。日本はこれからもウクライナの平和を取り戻すために最大限の支援をしたい」と述べた。

首相のウクライナ訪問は2022年2月にロシアが侵攻を開始してから初めて。戦闘が続く国・地域を日本の首相が訪問するのは第2次世界大戦後初の事例となった。

東アジアでも中国の軍備増強や台湾有事への懸念が強まる。G7議長として法の支配の重要性を国際社会に訴えるべきだと判断した。

ウクライナのジャパロワ第1外務次官は21日にツイッターに投稿し、首相の訪問は「歴史的で、連帯と協力の証しだ」と歓迎した。

首相は日本時間21日未明、訪問先のインドからウクライナ隣国のポーランドへ民間チャーター機で向かった。

空港があるジェシュフから車でポーランド南東部のプシェミシル駅に行き、列車でウクライナに入った。バイデン米大統領が2月に訪問したときと同じ経路だった。

中国はロシアとウクライナ双方に停戦と対話を呼びかけ仲裁役を名乗り出ている。中国の影響力の拡大は現状変更に反対するG7各国にとって痛手だ。ウクライナ侵攻で態度を明確にしない新興・途上国にも影響が及ぶ可能性がある。

米英など他のG7首脳はすでにキーウを訪問した。現地入りしていないのは首相だけだった。首相は1月にゼレンスキー氏と電話協議した際、訪問の要請を受けて「状況も踏まえて検討したい」と語った。

両首脳は21日の首脳会談後にそろって記者会見に臨み、共同声明を発表する見通しだ。

首脳会談で首相はロシアの侵攻を非難し、ウクライナへの連帯と揺るぎない支援を伝える。ロシアによる侵攻と力による一方的な現状変更を拒否し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜く決意を確認する。

ゼレンスキー氏にG7の首脳会議(サミット)への招待も伝達する。ウクライナ支援と対ロシア制裁の継続を表明し、核の使用に反対すると確かめる。

首相は22日にポーランド首脳とも協議し、23日朝に帰国する。当初は21日に政府専用機で日本に向かう予定だった。

(日本経済新聞)

首相、サミット前に執心 空路と鉄道で極秘にキーウ訪問 G7首脳で訪問最後 2023/03/21

岸田文雄首相はロシアからの攻撃が続くウクライナへの訪問に踏み切った。5月に広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)の前に首都キーウ(キエフ)へ入ることにこだわった。計画は到着の7時間前まで公表せず、同行者も少人数に限定した。

第2次世界大戦後、戦闘が続く国・地域を日本の首相が訪れるのは初めて。22年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、G7の首脳で現地入りしたのは首相が最後だ。バイデン米大統領は23年2月にキーウを訪問した。

サミットはG7が足並みをそろえウクライナを支えると打ち出す機会になる。議長の首相自らがウクライナに寄り添う姿勢を示すことが欠かせない。他の首脳と同様にキーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と対面で会談すればその象徴になる。

首相は周囲に「ウクライナを支援するにしても現場をみておかないといけない」と語っていた。22年6月と12月にも訪問を検討した。昨年末は同行者の人数や移動手段など具体的な計画まで練ったものの、戦闘が激しくなったことなどから調整がつかなかった。

しびれを切らしたようにゼレンスキー氏は23年1月の電話協議で首相に訪問を招請した。首相は検討する意向を言明した。サミットまでの訪問が議長国として避けられない情勢になっていた。

難題の一つは首相の警護だった。自衛隊は海外で首相の警護に帯同することはできないとされる。日本の要人警護のみを目的に自衛隊が海外に赴く明確な規定はない。

ウクライナ周辺の空域に自衛隊の警戒機や哨戒機は飛ばせない。米軍のように近隣国に派遣して情報収集することもむずかしい。護衛体制の詳細は明らかになっていないが、最終的に現地の情勢を見極めて行けると判断したとみられる。

ウクライナ訪問については政府は安全確保のため日本出発前に公表しなかった。国内にいるときよりも首相の動静を追う目が少なくなるインド訪問に合わせて計画した。

首相はインドで20日夜にモディ首相との会談などを終えると宿泊予定としていたホテルにいったん戻った。その後、同行記者団の目をかいくぐるように抜けだした。

同行したのは木原誠二官房副長官や首相秘書官ら10人規模だった。日本からインドまでに使った政府専用機ではなく、別に用意していたチャーター機を使ってポーランドへ移動した。

ポーランドからは列車で10時間ほどかけてキーウに入った。同行した記者団や大半の政府関係者には訪問を知らせずインドに残した。

首相や閣僚が外国訪問する時に慣例となる国会の事前了解は今回、インド訪問のみだった。ウクライナ入りで国会に報告していた日程よりも帰国は1日遅れる。

安全性の事情がある首相のウクライナ訪問についてはこれまで与野党幹部が事前了解は不要との認識を示しており、無断で渡航しても理解は得られると考えたようだ。

「国会日程に影響しないように帰国します」。首相が与党幹部に電話してキーウ訪問を伝えたのは日本時間の21日午前、すでにポーランドまで移動した後だった。公明党の山口那津男代表は記者団に出したコメントで「与野党の大多数には例外として認めてもらえる」と強調した。

立憲民主党の泉健太代表は「戦争が行われている国への訪問だから情報を秘匿して対応せざるを得ないのは理解している」と千葉県市川市で記者団に語った。「帰国後に国会で報告をしてもらうのが重要だ」と話した。

自民党の茂木敏充幹事長は「ゼレンスキー大統領と会談して直接現地情勢を確認することは大きな意義がある」とのコメントを発表した。

(日本経済新聞)

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