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アクセンチュアの保科学世AIセンター長
人工知能(AI)の爆発的な普及は差別判断などの予想外の問題も引き起こしている。企業のAI導入を支援するコンサルティング事業に強みを持つアクセンチュアの保科学世AIセンター長は「責任あるAIを築ける企業がその業界をリードしていく」と説く。
小学生の頃からパソコンを触り始め、中学生ではプログラミングに没頭した。「自分の指示した通りに動き、時には意図も超えて動くところに、ロマンを感じていた」。大学院時代は分子の立体構造解析に取り組み、博士課程まで進んだ。
研究者を目指していたが、「もっと直接的に社会貢献したい」と、アクセンチュアに入った。得意なプログラミングや研究で培ったデータ解析技術も生きると考えた。入社後は大規模システムの開発現場に放り込まれた。その後、様々なプロジェクトに携わったが、一貫して業務の自動化や効率化にこだわった。
ある大手企業の基幹システムを構築するプロジェクトではテスト工程を自動化する仕組みをつくった。100人以上が手作業する姿を見て「あまりにも非効率だ」と感じ、自動化を試みた。
「通常の業務運営自体も自動化できるはずだ」と思い立ち、今でいうRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を先駆けて導入。様々な自動化サービスを開発・商品化した経験が今のAI事業につながる。
提供するサービスに合わせて、画像や音声、文字の認識といったAIに社内外の情報を学習させながら組み合わせる「AI Hubプラットフォーム」などに強みを持つ。「人間の仕事がAIに奪われる」との懸念には「人手不足といった日本の課題解決にAI活用は欠かせない」と語る。
差別判断などのリスクは「人間中心の設計によって軽減できる」。アクセンチュアはデータ収集やAIモデルの開発、運用の主に3段階で倫理的な課題を調べる体制を築いた。AIの判断は人間社会が蓄積したデータを反映したものでもある。「AIは気づかなかった不平等を明らかにし、あるべき社会を実現する手段にもなる」と力を込める。(福岡幸太郎)
ほしな・がくせ 2000年に慶応義塾大学で物理化学の研究で理学博士号取得後、アクセンチュアに入社。システム開発などに携わり、20年からAIセンター長。49歳。
(日本経済新聞)