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1000億円超スタートアップ、国内倍増6社 AIや新素材 2021/12/03

未上場スタートアップの厚みが増している。日本経済新聞社が2021年の「NEXTユニコーン調査」で企業価値を推計したところ、1000億円超の企業は6社と前年から倍増した。人工知能(AI)を駆使したデータ分析や環境負荷の小さい新素材など、技術に裏打ちされた事業創出力の高い企業が躍進した。大型の新興企業が次々と育つ世界との差はなお大きく、有望企業の創出と育成が課題になる。

日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)と投資家向けサービスのケップル(東京・渋谷)の協力を得て、未上場企業175社の9月末の価値を調べた。企業価値は上場企業の時価総額に相当し、直近の株式の発行価格に発行総数をかけて算出した。

企業価値が1000億円を超えたのは、AI開発のプリファード・ネットワークス(東京・千代田)など6社。上位6社の合計額は1兆983億円と、前年の6社合計から39%増えた。20年(7%増)に比べて勢いを増している。

有力企業の裾野も広がっている。企業価値が100億円以上は81社と17年の調査開始から最多となり、企業価値の合計は2兆8718億円と前年から28%増えた。契約書をAIで審査するシステムを提供するリーガルフォース(東京・江東)など、特定分野で強みを発揮する企業が目立つ。

企業価値が10億ドル(約1130億円)以上の「ユニコーン」は5社と昨年から2社増えた。これまで多かったフィンテックに代わり、研究開発型が目立つ。新型コロナウイルス禍や脱炭素などで社会が変わるとの見方が広がり、新事業創出への期待が高まっている。

昨年に続き首位となったプリファードは、自社開発のスーパーコンピューターが国際ランキングのエネルギー効率部門で首位になった。環境負荷低減につながる新素材を開発する企業も多い。TBM(東京・千代田)はプラスチックや紙の代替として石灰石と樹脂を原料とする素材を手がける。スパイバー(山形県鶴岡市)は微生物に植物由来の糖を与えて発酵させ、衣料品などに使う人工たんぱく質を抽出する。

投資家などの外部資金を取り込む一方で、IPOを希望する企業も増加している。企業価値の算出にあわせて184社を対象に実施したアンケート調査では、今後2年内にIPOを目指す企業が91社と、前年(60社)に比べて5割増えた。コロナ下でも上場意欲が高まっていることがうかがえる。

もっとも、日本のユニコーン数は海外に比べて見劣りする。米調査会社CBインサイツによると、米国は470社、中国は169社に上る。インド(48社)や英国(34社)も日本を圧倒する。

新興企業を支えるマネーも海外のほうが厚みがある。KPMGインターナショナルと米調査会社ピッチブックによれば、世界のベンチャーキャピタル投資額は1~9月に4868億ドルと、日本(35億ドル)の139倍だ。経営者、投資家ともに有望企業の育成を急ぐ必要がある。

(日本経済新聞)

スタートアップの企業価値 上位にクラウド・宇宙が浮上 2021/12/03

日本経済新聞社がまとめた「NEXTユニコーン調査」では、クラウドなどデジタル技術や宇宙関連の分野を扱う企業が浮上した。脱炭素のうねりや感染症が産業や生活を変えるなか、各分野を変革しつつある企業が価値を上げた。もっとも、先を行く世界に追いつくには、起業を促し、有望な技術やアイデアを成功に導く環境づくりが重要になる。

上位30社の企業価値合計は2兆650億円と、2020年の30社合計から35%増えた。20年の前年比増加率は9%だったが、21年に弾みがついた格好だ。事業内容で見ると、デジタル技術を駆使する企業が上位に顔を出す。

クラウドで人事労務ソフトを提供する3位のスマートHR(東京・港)の企業価値は1731億円と前年(320億円)から大きく伸びた。13位のキャディ(東京・台東)は金属などの部品加工の受発注をネット上で仲介するサービスを展開。17位のアンドパッド(東京・千代田)は職人や現場監督が施工現場の写真や工程表を共有し、チャットで連絡できるサービスを提供する。

宇宙関連も3社と目立つ。7位のアストロスケールホールディングス(東京・墨田)は宇宙ごみを除去するサービスを、8位のispace(アイスペース、東京・中央)は月面開発用の着陸船や探査機を開発する。

クラウドや宇宙関連は、どちらも従来になかった市場を高度な技術で開拓する点で共通する。投資家は旧来型の社会を変革し、新たな価値を創出する企業を高く評価する傾向があり、投資マネーの流入拡大につながっている。

新興勢は着実に成長しているものの、国際的に見ると育成途上にあるのは否めない。企業価値が10億ドル(約1130億円)以上のユニコーンの数は現在5社で、米国や中国の1割未満という状況からも明らかだ。有望な企業をいかに増やすかは喫緊の問題といえる。

課題の一つが資金面の手当てだ。スタートアップに資金を投じる国内のベンチャーキャピタル(VC)の規模は米国などに比べると依然として小さい。VCに対して既存の事業会社だけでなく、年金基金など機関投資家の資金を呼びこむことで、スタートアップに流れるお金の量が増え、成長を後押しすることができる。

海外進出を促す仕組みの充実も欠かせない。一般財団法人のベンチャーエンタープライズセンターが発行した「ベンチャー白書2020」によると、海外展開するスタートアップは約1割にとどまる。デジタル分野を中心に国境による参入障壁が下がるなか、海外市場は成長の原動力になりうる。優秀な人材がスタートアップに集まるよう、雇用の流動性を促すことも重要になりそうだ。

3位 スマートHR、登録4万社の人事ソフト

スマートHRの宮田昇始CEO
「自分たちが思っていたよりも桁違いに会社が大きくなった」。スマートHR(東京・港)の宮田昇始最高経営責任者(CEO)は振り返る。2013年に創業し、15年から人事労務ソフトの提供を開始した。業務の効率化に対する需要は強く、サービス開始から約6年で登録企業は4万社に拡大した。

当初は10人未満かつIT(情報技術)企業を主な顧客として想定していたが、今では1000人以上の企業が売上高で4割を占めるという。業種も飲食や小売りなど多岐にわたるという。

6月に米有力ベンチャーキャピタル(VC)のセコイア・キャピタル系などから156億円を調達し、企業価値が10億ドル超に達するユニコーン企業となった。今後は蓄積された人事データを活用して組織課題を発見する機能を拡充する方針だ。

5位 スパイバー、人工たんぱく質で衣料

スパイバーの関山和秀代表
「人類がアクセスできていない材料を実験室で作る」。スパイバー(山形県鶴岡市)の関山和秀代表は意気込む。同社の強みは、クモの糸の分析と再現で培ったノウハウをもとに、様々な人工たんぱく質を製造できる点だ。環境負荷のある素材を代替できる点が高く評価されている。

主な用途はアパレル向けだ。繊維市場の多くはポリエステルなどの化学繊維が占める。スパイバーの製品はこれらに匹敵する性質を持つ。2022年3月までにタイ工場を本格稼働し、量産に乗り出す。他の領域も開拓しており、自動車で使うシートなどの内装材のほか、医療や化粧品向けの研究も進行中だ。

10位 アタマプラス、学習教材をAIで最適化

アタマプラスの稲田大輔CEO
「授業を大きく変え、生徒の学力向上に結びついている」。塾向けにAI学習教材を展開するアタマプラス(東京・品川)の稲田大輔最高経営責任者(CEO)は手応えをこう語る。直近の導入実績は2600教室超と、この1年半で2.6倍に拡大した。

強みは一人ひとりに最適な学びを提供できる点だ。たとえば数学や英語などの問題をタブレット端末で解き、正誤状況からAIが苦手分野を発見。必要な講義動画を配信したり、問題を出題したりして、能力に磨きをかける仕組みだ。

当面の目標は大手塾の新規開拓や提供科目の幅拡大、駿台予備学校と取り組む高校向けオンライン模試の導入拡大だ。

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