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株価時価総額最新情報

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世界株、強まる米国1強 時価総額シェア17年ぶり高水準   ITがけん引 中国は規制リスクで足踏み 2021/07/26

米国の株式時価総額は初めて50兆ドル(約5500兆円)を超えた。世界全体に占めるシェアは44%と、2004年以来17年ぶりの高水準となった。長期金利の安定を背景に米国ではIT(情報技術)株の上昇が目立つ一方で、当局の規制リスクで調整する中国株との差がついている。新型コロナウイルスの感染拡大で経済の先行きが不透明な中でも、米株の1強ぶりが浮き彫りとなっている。

QUICK・ファクトセットによると、米国の時価総額は23日時点で50.2兆ドルとなっており、過去の月末値と比べ最高となっている。同日にダウ工業株30種平均も終値で初めて節目の3万5000ドルを上回った。

米国の時価総額が世界全体に占めるシェアは43.8%と、10年末の30.7%から13.1ポイント増えた。中国(4ポイント増の9.3%)よりも伸びは大きく、減少が続く日本(1.9ポイント減の5.9%)や欧州(7.4ポイント減の16.8%)とは対照的だ。

米中の時価総額に差がついている。21年3月末比をみると、米国は1.1ポイント増だが、中国は0.5ポイント増にとどまった。同期間のMSCI全世界株業種別指数の騰落率では、上昇率が14%高と最も大きくなったIT銘柄の中でも、米中で買いの勢いには違いがある。

米国では23日にフェイスブックとグーグルの親会社のアルファベットがいずれも上場来高値を更新するなど「GAFA」に代表される巨大IT株が好調だ。新型コロナの変異型の感染拡大が続く中でも業績の安定感があるうえ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが遠いとみた米長期金利の下落も背景にはある。

東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは「経済成長と低金利が併存する『ゴルディロックス(ぬるま湯)』相場の再来への期待が後押ししている」と話す。

一方、中国政府による監視強化が懸念される中国のネット大手株は軟調となっている。予定していた傘下のアント・グループの株式上場を延期したアリババ集団や、騰訊控股(テンセント)は4月以降、1~2割下げている。

さらに7月24日に当局が騰訊控股に対し、音楽配信会社の買収に関して独占禁止法違反で処分を決めたことも株価を下押ししている。同社株は26日、一時8%下げ、年初来安値を更新した。

投資家は今回の騰訊控股の処分によって中国当局の政策に疑心暗鬼を深めており、運用リスクを回避する動きを加速させた。26日の香港のハンセン指数は4%下げ、2020年末以来の水準まで下落した。中国の上海総合指数も同日、2%下げた。この先も積極的な買いを控える雰囲気が漂っている。

もっとも米国のIT株にも、バイデン政権による市場シェアの高い企業を対象にした監視強化が進むとの懸念が出ている。「法改正を伴う規制強化は共和党が50議席を占める上院を通りにくいので実現可能性は小さい」(インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト)との見方は強いものの、バイデン大統領は7月に大企業への監視を強化する大統領令に署名した。

高値への警戒感も出ている。米ブラックロックは年央のリポートで米国株への投資判断を「中立」に1段階引き下げた。「成長(グロース)の勢いはピークに達し、経済の再起動が米国外に広がる中で、日本や欧州株への投資妙味が増す」としている。

今週は米IT大手の決算発表が相次ぐ。27日はアップルとアルファベット、28日にフェイスブックが予定されている。市場は好業績をすでに織り込んでいるとの見方は強く、決算次第ではいったん調整する可能性もある。
(大西康平)

(日本経済新聞)

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