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GAFA、時価総額で日本株超え 安定収益が資金呼ぶ 2021/08/26

GAFA(親会社のアルファベット含むグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)と日本株全体の時価総額が逆転した。高い成長力に加え、日本企業以上の強固な財務基盤と手厚い株主還元が安定収益を求める投資家を誘引。マネーの一極集中につながっている。

QUICK・ファクトセットによるとGAFA4社合計の時価総額は7兆500億ドル(約770兆円)に対し、日本は6兆8600億ドルにとどまる。両者の時価総額は7月に逆転し、8月以降は差が開きつつある。

時価総額が最も大きいアップルは足元で2兆4500億ドル。コロナ前の2019年末比では時価総額が90%増で、20年末比でも10%増と堅調に推移している。次いでアルファベットの1兆8900億ドル、アマゾン1兆6700億ドル、フェイスブック1兆400億ドルと続く。

GAFAの特徴は高い成長力だ。スマートフォン、ネット広告などそれぞれの分野で圧倒的な規模を持ち、そこから得られる資金とデータを活用してさらに巨大化する循環ができている。QUICK・ファクトセットによると、自己資本利益率(ROE)はアマゾン、フェイスブック、アルファベットが20%前後、アップルは70%超と日本を大きく上回る。

売上高に対するフリーキャッシュフロー(FCF、営業CF-設備投資)の比率(FCFマージン)が日本は6%に対し、アマゾン以外の3社は20%を超える。必要な投資をした後でも、自由に使える資金が多いことを示す。

財務も安定している。自己資本と有利子負債の合算値に対するネットの有利子負債の割合を示す比率は、GAFAが総じて日本の平均を下回る。フェイスブックやアルファベットはマイナスと、手元資金が有利子負債を上回る状態だ。

アップルは純利益に占める配当と自社株買いの総額の割合である総還元性向が150%に上る。アルファベットも株主還元に力を入れている。日本も株主還元を強化する企業は増えているが、米国の水準を下回ることが多い。

高い成長力と強い財務があることで、景気動向にも業績が左右されにくい。株主還元も充実していることから、投資家からはグロース(成長)株だけでなく、守りの運用に役立つ「ディフェンシブ銘柄」としても評価される。アマゾンを除けば、PER(株価収益率)が30倍未満に収まっていることから、過度な割高感も感じにくい。

大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大で米経済も想定ほど回復ペースが高まらないとの見方が広がるなか、成長が確実なハイテク大手への資金流入が強まっている」と指摘する。

(佐伯遼、本脇賢尚)

マネー一極集中のリスクも
米株式市場の中でもGAFAの存在感は際立っている。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数の採用銘柄の時価総額は38兆ドル。GAFAだけで2割近くを占めている。ただ、一部のIT企業への資金集中は2000年頃のドット・コム・バブルに近いなど、過熱感を指摘する声は多い。

巨大さ故に規制の手も伸びつつある。米バイデン政権は米連邦取引委員会(FTC)委員長にアマゾン・ドット・コムの分割を主張してきたリナ・カーン氏を起用。FTCは19日、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いでフェイスブックを再提訴したほか、GAFAの解体論もくすぶる。

こうした規制強化の流れは株式市場にも一抹の不安を与えている。「FTC委員長をみてもバイデン政権の本気は伝わってくる。将来的にGAFAの株式の持ち高を減らす必要が出てくるかもしれない」。ある海外系運用会社の運用担当者はこう漏らす。

米株式市場の中でも突出して資金を集めてきたGAFA。規制強化でひとたび資金流出が始まれば、株式市場への悪影響は避けられない。

(日本経済新聞)

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