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3メガ銀、新卒採用8年ぶり増 三井住友は専門コース3倍 2023/04/06

メガバンクが8年ぶりに新卒採用を増やす。3メガの2024年入行の採用計画は合計で約1200人強と23年比で1割増える。三井住友銀行はデータ分析などの専門コースの採用を3倍超にする。支店の統廃合などを背景に新卒採用を減らしてきたが、デジタル人材を中心に採用増にかじを切る。新事業の創出やリスク管理の強化に加え、大量採用世代の退職を見据えて人員を補強する側面もある。

3メガの採用数は直近ピークの16年卒で5000人を超えたが、その後は右肩下がりで23年卒は約1070人まで減った。ネットバンキングの普及や店舗統廃合により、新卒を大量採用して全国に配置する必要性が薄れたためだ。24年入行は一転して三井住友銀行と、傘下の銀行や信託銀行などをまとめて採用するみずほフィナンシャルグループ(FG)が人数を増やす。

三井住友銀行の24年入行は、23年比で3割増の465人を計画する。リスクアナリストやデータサイエンス、サイバーセキュリティーの3つのコースを新設した。専門コースの採用数は40人前後を目標とし、23年比で3倍超にする。

三井住友の菅家哲朗・人事部採用グループ長は「専門に勉強した人や長期インターンをしていた人など即戦力となる人材を専門コースで集めたい」と話す。

みずほFGは銀行と信託銀行に、IT(情報技術)システムのコースと事務効率化を企画するコースを新たに設けた。学生の希望に沿ってキャリアを決めたうえで採る「オーダーメード型」も新設。キャリアを特定する採用は23年比6割増の210人を計画し、全体では500人と3割増える見通し。

りそな銀行と埼玉りそな銀行も計545人と4割増やす。三菱UFJ銀行は全体の採用数は減るが、グローバルやデジタル、財務会計など専門コースの採用数は23年比5割増の100人程度を目指す。

金融取引のデジタル化や規制緩和による業務範囲の拡大で、銀行を取り巻く環境は大きく変わった。デジタルや膨大なデータ活用など、専門的な知識やスキルを持つ人材を増やして事業の幅を広げる必要性が強まっている。市場リスクや金融犯罪への対策にも人材が必要だ。

専門技能を持つ社員を重視する流れは世界的な潮流だ。米JPモルガン・チェースは全従業員の5人に1人がエンジニアとされる。人工知能(AI)とデジタルをフル活用したサービスで知られるシンガポールのDBSは3割がIT人材という。

専門コースの新設に動くのは、学生が透明性の高い配属先選びを求めていることも一因だ。配属先や職務をあらかじめ明示することが専門人材の獲得で有利になるといい、ミスマッチによる離職を防ぐ狙いもある。

デジタルなどの専門人材はあらゆる業界で取り合いになっている。メガバンクは国内平均より低かった初任給を23〜24年に5万円程度引き上げ、大卒で25万5000〜26万円とした。

デジタルサービスに力を入れるネット専業銀行は大手より高い水準を提示する。住信SBIネット銀行は初任給を30万円に引き上げた。海外の金融機関は専門人材の給与を上げてデジタル分野の内製化を進めている。

メガバンクでは大量採用した「バブル組」が銀行を退職する時期にさしかかっていることに加え、転職する若手も目立つ。人員を補強するという面もある。

銀行は有名大学の経済学部や商学部といった文系の学生を中心に採用して、さまざまな業務を経験させて人材を育ててきた。従来のようなやり方では環境変化に対応できないという危機感が採用や待遇面でも表れている。

(北川開)

(日本経済新聞)

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