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ジャック・ウェルチ氏が死去 GE元会長 2020/3/2

【ニューヨーク=中山修志】1981年から約20年にわたってゼネラル・エレクトリック(GE)会長を務めたジャック・ウェルチ氏が1日、腎不全のため死去した。84歳だった。「選択と集中」を掲げ、事業の多角化と大規模なリストラを断行。在職中にGEの株価を約30倍に引き上げ、世界の経営者の手本とされた。
ウェルチ氏は1935年に米マサチューセッツ州で生まれ、イリノイ大大学院で博士号を取得後、60年にGEに入社した。81年に当時最年少の45歳で会長に就任。経営学者ピーター・ドラッカー氏の「世界で1位か2位になれる事業だけやりなさい」という助言を守り、リストラとM&A(合併・買収)を推し進めた。
半導体事業などを売却する一方、米3大テレビ局の一つNBCを買収。金融事業の拡大をめざし、90年代に保険会社やリース会社を相次ぎ買収した。日本でも消費者金融のレイクを買収し、破綻した東邦生命保険の事業を引き継いだ。
工場閉鎖や大量解雇もいとわない姿勢から「ニュートロン(中性子爆弾)・ジャック」の異名をとった。「選択と集中」は80年代以降の企業経営のキーワードとなり、99年には米フォーチュン誌で20世紀最高の経営者に選ばれた。
01年にGE会長を退いた後も、経営学修士号(MBA)のオンラインプログラムを立ち上げるなど人材教育に尽力した。
だが、ウェルチ氏の退任後にGEの経営は変調した。米同時テロの影響で主力の航空機エンジン事業が失速。後任のジェフ・イメルト氏は多角化路線の修正を余儀なくされた。さらに08年には金融危機で巨額の損失が発生。メディア事業や家電事業を売却し、ウェルチ氏が育てた金融事業からも撤退したが現在も負の影響を残す。
イメルト氏の後を継いだジョン・フラナリー氏は、業績不振と株価低迷により1年で更迭。18年からは外部出身のローレンス・カルプ最高経営責任者(CEO)が再建の指揮を執ってきた。カルプ氏は2日、「GEファミリー全員にとって悲しい日だ。我々はジャックの望みである、勝つことによって彼の遺産を守り続ける」と声明を発表した。
GEはカルプ体制のもとで事業売却を加速し、19年12月期の売上高は約10兆円と08年の最盛期から半減した。ウェルチ氏が確立した「コングロマリット(複合)経営」は近年、投資家から「企業の実態が見えにくい」と批判されるが、企業が新規事業に取り組む流れをつくり、M&Aを活性化させた功績は大きい。
トランプ米大統領はツイッターに投稿し、「ニュートロン・ジャックのような企業経営者はいなかった。彼は私の友人であり、支持者だった。私たちは一緒に素晴らしいディールをした」と追悼の意を示した。
ウェルチ氏は2001年10月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。

(日本経済新聞)

株価30倍、名経営者逝く ウェルチGE元会長死去 2020/3/3

米国人にしては小柄ながらも全身からほとばしるエネルギーを社内外で発散し続け、トップ在任中は「決断と実行」の経営を絶え間なく実践したジャック・ウェルチ氏。経営のかじ取りを担った約20年間で米ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価は約30倍となり、1980年代、90年代を通じて米国を代表するエクセレントカンパニーとしてGEの評価を不動のものとした。

情熱を燃やしたニューヨーク州クロトンビルでの幹部研修。シックス・シグマに代表される経営管理。そうしたウェルチ経営を世界中の企業が学んだ時期があった。「20世紀最高の経営者」との評は決して過言でないほど、ウェルチ氏は称賛に包まれ、社員からは畏怖され、投資家から愛された経営者だった。
ただ、ウェルチ後のGEは苦難の連続だった。今なお、その苦境から脱したとはいいがたい。
くしくもGEの変調はウェルチ氏が後任のジェフ・イメルト氏にバトンを渡した2001年9月に訪れる。米同時テロがGEを襲い、主力の航空機エンジン事業が急減速した。イメルト氏はウェルチ氏の拡大路線の修正を迫られ、放送やプラスチック事業などウェルチ氏が手塩にかけた事業の売却を決断する。
極めつきは08年のリーマン・ショックだった。ウェルチ氏がトップ在任中、収益けん引役だった金融事業が会社を危機に陥れる。同氏が手掛けた金融ビジネスは比較的リスクの高い事業だったこともあり、その傷痕は深く、なかなか立ち直れない今日のGE不振にもつながっている。
トップ退任後は、たびたび経済番組に出演して、米産業界のご意見番的存在だったが、ここ数年は姿を公に見せる機会もめっきり減っていた。米製造業の名経営者は、GAFAに代表されるIT(情報技術)企業が経済の主役になるなかで、この世を去った。

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