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大機小機 人より情報が動く社会に 2020/08/13

コロナ禍によって情報伝達の大転換が促されている。この転換が実現すれば、人類の生活はもっと豊かになる。
情報伝達の転換が実現した典型例が証券取引所だろう。かつての東京証券取引所では兜町の建物に多数の関係者が集まり、売買注文などの情報を交換し、人の手で突き合わせていた。それが今ではコンピューターに代わっている。しかも取引所のコンピューター自身もはや兜町にはない。
ところで、企業などの組織が物理的にオフィスを構える理由は何なのか。従業員や関係者を集めるためである。この方式が業務の説明、指示、実際の行動などに関して効率的だったからである。
このオフィス方式は絶対に思えたのだが、コロナ禍が転機をもたらした。通常の場合、インターネット上でも業務の説明や指示が可能だと、多くの企業が悟りつつある。
すぐに理解できることだが、オフィスでの仕事の多くは情報活動であり、収集、判断、伝達、処理などから成り立つ。このために、調査、打ち合わせ、会議、交渉が設営される。
オフィスとして都市部が人気なのは、従業員が集まりやすいからである。従業員は一連の情報活動の担い手として、片道1時間もしくはそれ以上を費やし、満員電車で通勤する。人が情報を運び、伝達してきたと表現してもいい。
普通の情報活動はネットとパソコンで済む。とすれば、オフィス方式からの離脱と、新たな情報活動方式の構築は容易である。一方、これは生活の余裕と自由度を増す。社会的意義も絶大だといえる。
もちろん、必要であればオフィスに集まればいい。依然として証券取引所がオフィスを構えているのも、オフィスでないと完結しない情報活動があるからだろう。機密度の高い情報の処理、こまかな擦り合わせが必要な会議や交渉が代表事例だろうか。
今後は、人が頭の中に情報を持って動くのではなく、通信技術や情報処理技術を用い、情報だけが動く仕組みを構築しなければならない。この発想に基づき、新たな社会や経済をどれだけ具現化できるのかによって国や企業の栄枯盛衰も決まる。日本が例外でないのは言うまでもない。
コロナ禍は、情報活動における発想の転換を強要している。いわば、令和の黒船だろう。
(癸亥)

(日本経済新聞)

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