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Financial & M&A Industry Updates
三井住友フィナンシャルグループ(FG)が米証券会社のジェフリーズ・ファイナンシャル・グループと資本業務提携することが14日、分かった。発行済み株式の約5%を取得する。直近の終値ベースで計算すると、420億円規模になる。企業のM&A(合併・買収)や資金調達が活発な米国で証券業務を強化する。日本企業と海外企業の橋渡しにも力を入れ、グローバルで稼ぐ体制をつくる。
両社が近く発表する。三井住友FG傘下の三井住友銀行が、市場から株式を取得する。三井住友FGは将来的なグループ化も視野に、ジェフリーズと中長期の協力体制を築く。
ジェフリーズは1962年創業の証券会社を中核とする金融持ち株会社。個人向けの証券業務は手掛けず、法人向けに注力している。収益の大半はM&Aの助言業務などの投資銀行部門が稼ぐ。
2020年11月期の売上高に相当する純営業収益は60億1000万ドル(約6600億円)で、純利益は7億7000万ドル。米調査会社ディールロジックによると、米国での投資銀行の収入は20年に17億5400万ドルで世界の金融機関で8位だった。
ジェフリーズは80を超える業種に専門のバンカーを配置。企業価値で10億ドルを下回り、大企業と比べて信用力の劣る中堅企業を対象としたM&A助言や低格付け企業向け融資(レバレッジドローン)の提供に強みを持つ。
米国では新型コロナウイルスの感染拡大による環境変化に対応するため、企業の再編が活発だ。株式や債券の発行による資金調達も増えている。ジェフリーズが米市場でM&Aや資金調達案件を開拓し、三井住友銀行が買収資金の融通を支援する。
国境をまたいだM&Aへの助言体制も強化する。三井住友FG傘下のSMBC日興証券は20年に米国株式のリサーチ分野でジェフリーズと提携している。今後は日本企業が関与する海外M&Aの支援拡充など、両社は協業を加速させる。
日本国内は低金利や人口減少で収益の拡大余地が乏しい。このため三井住友FGは21年に入って海外事業の強化策を打ち出した。4~7月にベトナムやインドの大手ノンバンク、フィリピンの銀行大手への出資や買収を相次いで決めている。
半面、最大の金融市場を抱える米国で、投資銀行業務など法人向け取引の体制を強化することが課題となっていた。三井住友FGは旧住友銀行時代の1986年に米ゴールドマン・サックスに出資したほか、2008年には英大手銀のバークレイズに約1060億円出資した。現在は両社との資本関係は解消しており、資本のつながりを持つ米国の銀行や証券会社はない。
邦銀は米リーマン危機で米投資銀行の経営が悪化した08年、相次いで資本支援に動いた。メガバンクによる米国の銀行や証券会社への出資はリーマン危機以来となる。三菱UFJフィナンシャル・グループが米モルガン・スタンレーに90億ドルを出資したほか、みずほフィナンシャルグループも米メリルリンチ(現バンク・オブ・アメリカ)の優先株を約1300億円で取得した。みずほFGは15年に保有株を全て売却している。
(日本経済新聞)