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富裕層のファミリーオフィス、シンガポールで設立増  一族の"番頭"、政府が誘致強化 2019/10/16

シンガポールで富裕層一族の資産運用を担う「ファミリーオフィス」の設立が増えている。経済成長で富を蓄えたアジア域内の企業オーナーなどが中心だ。金融機関も支援業務を拡充しており、同国のファミリーオフィスの数は2年で4倍になった。競合する金融センターの香港に対抗しようと、政府も誘致を強化している。
「どんな投資商品が税制優遇の対象ですか」。8月末、シンガポール大手のDBS銀行が富裕層の個人顧客を招き、ファミリーオフィス設立に関するフォーラムを開いた。東南アジア各地から集まった約100人が熱心に質問を投げかけた。
米ロックフェラー家が開祖とされるファミリーオフィスは、富裕層が一族の長期的な繁栄を目指して設立する。外部の専門家を雇い、一族の”番頭”として資産運用や税務、相続などに取り組む。家訓に沿った投資や慈善活動などをオーダーメードで進め、子供の教育の面倒もみる。富裕層向けのプライベートバンクの進化版だ。
欧米が先行していたが、世界7300社のうちアジア太平洋は1300社に達した(英カムデンリサーチ調べ)。17年以降の伸び率は44%と欧米を上回る。企業創業者が次世代に事業や資産を円滑に継承するため設立するケースが多いという。
クレディ・スイスなどの大手に続き、シンガポールの金融機関も同部門の強化を急ぐ。DBSは3月までにファミリーオフィス専門部署を立ち上げた。
欧米の富裕層によるアジア支社の設立も目立つ。英家電大手ダイソンの創業者で富豪のジェームズ・ダイソン会長は、ファミリーオフィスをシンガポールに設立した。
アジアのファミリーオフィスは金融センターの香港とシンガポールに集中する。スイス金融大手UBSによれば、両都市間では6対4で香港がリードする。シンガポール政府は誘致に力を入れており、同国のファミリーオフィスの数は「16~18年に4倍に増えた」(金融通貨庁幹部)。政府は19年予算で資産運用の税制優遇を手厚くした。
反政府デモが長引く香港を敬遠する動きもある。米ゴールドマン・サックスは6~8月に最大で40億ドルの預金が香港から流出したと試算する。シンガポールのファミリーオフィス幹部は「安全とされるシンガポールへ中国マネーが流入している」と話す。今後は香港とシンガポールの形勢が変わる可能性もある。(シンガポール=谷繭子)

(日本経済新聞)

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