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大企業にも資金難懸念  3割減収、半年で4社に1社枯渇 2020/4/1

新型コロナウイルスは世界経済を突然、停止させた。企業の現金収入は減り、中小や航空産業に始まった資金繰りの問題は、他の大企業にも広がりつつある。日本経済新聞社が世界の上場企業、約3400社の資金繰りを試算したところ、売上高が3割減る状態が半年続けば、4分の1で手元資金が尽きる。枯渇リスクの高さが浮かび上がった。

QUICK・ファクトセットの企業財務データを使い、個々の企業の資金繰りを試算した。売上高の落ち込み度合いと期間の長さを変えて、全体で手元資金が枯渇する企業がどう増えるかをマトリックスで表示した。
試算では1割の減収が3カ月続けば9%で資金が枯渇する。3割の減収なら6カ月後に24%、12カ月後に38%で尽きる。6割減収が1年続く、もっとも厳しい前提なら50%を上回る。借金は借り換えない前提にした。
実際には企業は配当の抑制、借り換えや追加での資金調達で資金繰りをする。ただ借金を借り換える前提での試算でも、3割の減収が6カ月続けば9%で資金が尽きる。6割減収が1年続けば32%と枯渇は広範に及ぶ。
日本企業は手元資金が比較的厚いが、資金の減り方は海外企業と変わらない。3割の減収が6カ月続けば20%で資金が尽きる計算だ。日産自動車などが多額の融資枠を設定するなど、大企業でも資金確保の動きが広がる。海外では大企業向けに資金繰りを支援する枠組みも動き出している。
「飛行機が長く飛べない場合に備え、お金を積むのが最優先だ」。英格安航空会社のイージージェットは今月上旬、6億ポンド(約800億円)の短期の受取手形をイングランド銀行(中銀)に発行した。3月に導入された大企業支援策だ。
米連邦準備理事会(FRB)は低格付け債を含め、社債を最大7500億ドル(約81兆円)買う。米社債残高の13%にのぼる規模だ。ドイツ政府は総額に上限を設けない無制限の融資に乗り出し、1億ユーロ(約120億円)超の大口の申請はすでに172億ユーロに達した。
企業の資本増強に向け、日本は総額1000億円の出資の枠組みを作った。ただ、規模はドイツが準備する1000億ユーロのファンドの1%以下だ。フランスでは自動車大手ルノーなどを念頭に、ルメール経済・財務相が重要企業の国有化に言及する。米国でも航空機大手ボーイングの株式を政府が握るかが焦点だ。
政府が支援する際の条件については様々な議論があるが、大企業支援の制度を早期に設計することが欠かせない。

(日本経済新聞)

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