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米中対立でも中国投資 新成長戦略、内需取り込みへの好機  カーライルCEO キューソン・リー氏 2021/5/27

米投資会社カーライル・グループが新たな成長戦略を打ち出した。2021~24年に傘下のファンドで総額1300億ドル(約14兆円)超を集める計画で、有望な投資先地域に中国やインド、日本を挙げる。米中対立が長期化するなかでも、中国に注力する理由は何か。キューソン・リー最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。
――ファンド業界内で買収待機資金は積み上がり、案件獲得競争も激化しています。
「ドライパウダー(待機資金)問題は心配していない。私たちの接している買収機会は経験したことのない多さだ。地政学的な緊張やテクノロジーによる破壊的革新、新型コロナウイルス禍による消費者行動の変化といった世界のトレンドが投資機会を生んでいる」
交流止まらない

――米中対立の収束がみえません。
「長期的にみれば世界1位と2位の経済大国による貿易は続き交流も止まらない。ただ利害が絡み合うので、建設的な対話や相互に利益のある貿易が成立しにくい。両国間で様々な論争が続く」
「多くの人がヘッドライン(ニュースの見出し)に注目し心配しているが、大局的な観点でみて中国には投資機会がある。日本の最大の貿易相手は中国で、米国ではない。米国か中国のどちらかに絞るのは得策ではなく両方と向き合うべきだ」

現地担当者30人
――米中の分断(デカップリング)は中国の投資先には逆風では。
「(海外からモノやサービスが入りにくくなる)経済の分断は、中国の現地企業にとって国内の消費需要を取り込む大きなチャンスだ。カーライルも現地で多くの投資機会を見いだしている。2000年に中国本土に進出し、現地化を進めてきた。30人以上の投資担当者を置いている」
「20年前なら、投資先の中国企業を欧米に進出させる方法を考えていた。サプライチェーン(供給網)上の重要な存在として、投資先をどう成長させるか考えていたかもしれない。今後の米中関係を考えれば、現地の投資チームが有力企業を発掘し、中国内での成長を目指すことが重要だ」
――米国では企業に資金を貸す「プライベートクレジット」を強化する方針です。借り手側の需要はありますか。
「従来の資金調達先である起債市場や銀行は、マーケットが混乱したり、不安定になったりしたときに対応できない場合がある。私たちは良い条件で資金を提供できる。迅速さや確実性を求める借り手にとって銀行の役割は低下している」

――世界の規制・監督当局は、銀行システムの外側にある「シャドーバンク(影の銀行)」の膨張を懸念しています。
「私たちは預金をとっていない。(リスクを理解する)洗練された機関投資家から資金を集め、プライベートクレジット投資をしている。貸出先で何か問題が起きても金融システム全体に影響が及ぶようなことはない」
「金融システムを揺るがすようなバブルのサイン、過剰な借り入れの兆候は見当たらない。名目借入額は多いが、金利水準は非常に低く、キャッシュフローで測った企業の支払い能力は高い」
(聞き手はニューヨーク=宮本岳則)

(日本経済新聞)

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