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環境投資会社 運用大手が買収 森林・農地の知見吸収 2021/07/11

世界の大手運用会社の間で、ESG(環境・社会・企業統治)分野に強みを持つ投資会社を買収する動きが広がっている。米JPモルガン・アセット・マネジメントは森林投資会社を買収。英グレシャムハウスもアイルランドの運用会社を傘下に収めた。ESG投資のノウハウを拡充して、年金基金や個人投資家の運用ニーズを取り込む。
JPモルガン・アセット・マネジメント(AM)は6月、53億ドル(約5900億円)の運用資産を持つ森林投資専門の米キャンベル・グローバルを買収すると発表した。キャンベルはこの分野で30年以上の運用経験があり、森林の購入から適切な維持・管理などのノウハウを持つ。

JPモルガンAMは株や債券のような伝統的な資産ではない代替(オルタナティブ)投資を強化しており、不動産や未公開株などを手がけてきた。森林投資は初めて。
気候変動問題への関心を背景に、年金や保険会社などが二酸化炭素(CO2)といった温暖化ガスを吸収する資産として森林に注目する。今回の買収で投資ニーズを取り込むほか、森林運用のノウハウを吸収する。
英市場に上場する代替投資のグレシャムハウスも6月、アイルランドの運用会社アッピアン・アセット・マネジメントを買収した。買収で「森林や持続可能なインフラなどに焦点を当てた戦略を強化する」(グレシャムハウス)という。英HSBCアセットマネジメントはESG分析に強みを持つコンサルティング会社に資本参加し、独立系のESG投資専門会社の立ち上げを支援すると発表した。
ESG分野の投資マネーは拡大が続く。世界のESG投資額は2018年に約31兆ドルだった。ドイツ銀行は30年までに130兆ドルとなり、全運用資産の95%を占めると予想する。年金など運用資金の出し手から資産運用会社が選ばれるには、ESG関連商品の充実が欠かせない。特に森林や再生可能エネルギーなどは運用ノウハウが必要で、専門会社の買収が有力な選択肢になる。
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)米国によると、米国の資産運用業界の21年5月中旬までの半年間のM&A(合併・買収)件数は145件で、前年同期を3割上回る。新型コロナウイルス禍でも大手運用会社の経営は安定しておりM&Aを通じた規模拡大の動きが続く見通しだ。
PwC米国のグレゴリー・マクガハン氏らは「ESGの個人向け市場はニッチな分野を中心に十分なサービスが提供されていない。運用会社が参入する機会になる」と指摘する。
(ESGエディター 松本裕子)

(日本経済新聞)

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