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EU、上場企業に女性取締役の登用義務 社外で4割以上、26年半ばまでに対応 2022/06/08

フォンデアライエン欧州委員長=AP

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)は7日、域内の上場企業に、一定比率の女性を取締役に登用するよう事実上義務づける法案で大筋合意した。社外取締役で40%以上か、すべての取締役で33%以上を少数派の性別にする必要がある。女性の活躍を後押しして、経済や社会の活性化を狙う。

欧州議会と、加盟国でつくる理事会が合意した。議会と理事会がそれぞれ承認したうえで法案が成立する。企業は2026年半ばまでに基準を満たす必要がある。理事会の発表文によると、21年10月時点で女性取締役の割合は30.6%だった。
合意を受けて、フォンデアライエン欧州委員長は「多様性は公平性の問題だけでなく、成長と技術革新を促進するものだ」と歓迎する声明を発表した。
能力が同等の候補者が2人以上いれば、基準を達成していない企業は、少数派の性別の候補者を優先しなければならない。取締役になれなかった候補者が求めれば、企業はその選定基準を開示する必要がある。

基準を達成できなかった企業はその理由と対策を公表しなければならない。報告が十分でない場合は罰則の対象となる。罰則は加盟国が個別に設ける。
欧州委はこの法案を12年に提案したが、一部の加盟国が慎重姿勢を示し、協議は進んでいなかった。22年1~6月のEU議長国であるフランスが、政権交代したドイツを巻き込む形で議論を後押しした。
EUのルールの対象は域内の取引所に上場する企業だ。だが女性の活用は世界的な課題で、日本など他の国々の政策にも影響する可能性がある。

(日本経済新聞)

女性取締役登用、欧米競う ESG投資呼び込み EU「33%」義務化 2022/06/08

欧州連合(EU)が域内の上場企業を対象に、全取締役の3分の1以上など一定比率の女性を登用するよう求める法案で大筋合意した。ESG(環境・社会・企業統治)マネーを呼び込もうと欧米各国が女性登用基準の導入で先行するのに対し日本は出遅れており、投資家の選別が進みかねない。

「今こそガラスの天井を打ち破るときだ」。フォンデアライエン欧州委員長は7日「多様性は公平性の問題だけでなく、成長と技術革新を促進する」と法案の意義を強調した。
法案は加盟27カ国の全上場企業が対象。2026年半ばまでに社外取締役の40%以上か、全取締役の33%以上を女性にする必要がある。目標未達の企業は理由と対策を公表しなければならず、報告が不十分だと罰則の対象となる。

女性登用で先行するのはフランスだ。11年に上場企業と一定規模以上の非上場企業に対し、17年時点で全取締役の40%以上を女性とするよう義務づけた。目標未達なら取締役報酬の支払いを一部停止するなどの罰則を設け、21年12月からは従業員1千人以上の全企業に対象を拡大した。
米証券取引所ナスダックは上場企業に1人以上の女性と、別に1人以上の人種・性的少数派の取締役を選任するよう義務づける。一部の中小企業をのぞき、25~26年までに適用する。
英国では4月、取締役の少なくとも40%を女性とすることを求める上場ルールが施行された。取締役や経営幹部の構成についての数値情報を年次報告書で記載することを義務づけ、未達なら理由や方針を説明しなければならない。会長、最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)、上級独立取締役のうち最低1人は女性とすることも新たに求めた。
主要350社でつくる英株価指数「FTSE350」の構成企業の取締役のうち、1月時点で38%にあたる約1140人が女性だ。1割ほどだった10年前から比率は大きく高まり、女性取締役がゼロの企業は20年に無くなった。
女性登用で先行する欧米に対し、日本は出遅れている。経済協力開発機構(OECD)によると、21年の日本の主要企業における女性役員比率は12.6%にとどまる。プライム市場上場企業では同比率が9.3%で、全体の3割にあたる539社では女性の役員が一人もいない。フランス(45.3%)やドイツ(36.0%)、米国(29.7%)など海外との差は大きい。
日本は21年改定のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)で性別や国際性など多様性の確保が盛り込まれたものの、数値目標の導入は見送られた。
女性登用の遅れに対し、投資家の目は厳しさを増している。大手運用会社のアセットマネジメントOneは22年4月から、TOPIX100構成銘柄のうち女性取締役がいない企業の代表取締役の選任案に反対すると決めた。米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)やグラスルイスも同様の意向を示している。
一方、アジアの金融センターの座を日本と競う香港取引所は22年1月、1人以上の女性取締役を起用するよう義務づける規則を導入した。まず7月以降に新規上場を申請する企業に適用し、既存の上場企業には24年末までの対応を求める。企業は取締役会の多様化に向けた数値目標や工程表の作成も必須となる。
香港取引所によると、女性取締役がいない企業は21年末時点で3割弱と日本と同水準だ。中国の主要な国有企業やハイテク企業も多く上場するが、例外なく対応を迫られる。隣接する香港の先行はESGマネーの日本退避を加速する恐れがある。
(フランクフルト=林英樹、山田航平)

(日本経済新聞)

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