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JAL鳥取氏「価値観の変化応える」JAS出身の女性社長 多様性で再成長担う 2024/01/18

日本航空(JAL)の次期社長に客室乗務員(CA)出身の鳥取三津子取締役が決まった。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ業績も回復基調にある一方、利用客の価値観が多様化するなかで柔軟な戦略が求められる。顧客第一の姿勢を徹底し、従業員の能力を引き出す経営でさらなる飛躍をめざす。

日航の次期社長に決まった鳥取氏(右)と赤坂氏(17日、東京都品川区)

「時代とともに変化する価値観に対応しJALを利用してもらえるよう取り組んできた。安全とサービスの2つが(私の)キャリアそのもの」。17日の記者会見で鳥取氏は自身の歩みを説明した。

東亜国内航空(後の日本エアシステム=JAS)にCAとして入社した約4カ月後、日航ジャンボ機墜落事故が発生。「衝撃は今も強く心に刻まれている」と振り返る。

事故当時を知る現役のJAL社員は約1%に減り、鳥取氏は「安全運航の大切さを次世代に継承する強い責任感を持っている」と力を込めた。

24年1月2日には海上保安庁機との衝突事故が羽田空港で発生した。日航機では乗員乗客とも死者ゼロで、CAと乗客の冷静な対応が注目された。赤坂祐二社長は今回の人事について、羽田事故との関係は「全くない」と語った。

赤坂社長は鳥取氏に経営のバトンを渡す理由について「お客様視点を第一に社員の力を最大限引き出す、新しい時代のリーダーとしてJALグループの価値を持続的に高められると確信している」と説明する。

CA出身の社長は「世界の航空会社をみても極めて珍しい」(航空関係者)。JALでは初の女性社長となるが、「自分らしくやっていく」と意に介さない。

社内評は「柔軟性があり、人の意見をよく聞く」。顧客サービス部門で多様な価値観に柔軟にこたえてきた実績が、社外取締役を含む指名委員会から評価された。

入社以来、客室乗務員として一貫して利用客に向き合ってきた。20年4月から務めた客室本部長時代に、新型コロナの感染拡大に直面した。

飛行機が飛ばずCAの仕事が失われるなか、異業種などへの出向を通じた雇用の維持と、従業員の成長を後押しするために奔走した。23年には実績が買われ、顧客サービスの責任者として最高顧客責任者(CCO)に就いた。

旅客数が新型コロナ前の7割の水準にとどまる海外線の再成長戦略、拡大するインバウンド(訪日外国人)需要の取り込み、人手不足……。23年4~9月期の売上高にあたる売上収益は、12年の再上場後の同期間で過去最高となったが、楽観はできない。

さらなる成長には、様々なバックボーンを持つ従業員の力がこれまで以上に求められる。

「JAS出身」「JAL出身」という垣根は「いまはもうないが、当時は苦労した」。JASとJALの統合を経験したからこそ、多様性を受け入れることの大切さを身をもってよく知る。

新型コロナで航空事業に頼るリスクが顕在化し、非航空事業を伸ばすことも欠かせない。EBIT(利払い・税引き前利益)に占める非航空領域の割合を25年度に37%から40%に引き上げることを目指す。

「お客さまを一番に思い、先進的で楽しそう、そのためにも心から働きたくなる、社員一人ひとりの能力が発揮できるようなグループにしたい」。記者会見で決意をこう語った鳥取氏。顧客第一の姿勢を航空事業以外にも広げられるか。新しい航空会社の姿を模索する。

(湯沢維久)

(日経新聞)

JAL社長に鳥取三津子氏、初のCA出身 赤坂氏は会長に 2024/01/17

日本航空(JAL)は17日、鳥取三津子取締役(59)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。赤坂祐二社長(62)は代表権のある会長に就く。客室乗務員(CA)出身、女性のトップはいずれも初めて。赤坂氏は新型コロナウイルスの逆風から次の成長への道筋をつけた。経営体制を刷新し、成長戦略に本格的にカジをきる。

植木義晴現会長(71)は4月1日付で会長から退き、6月に開催予定の株主総会で取締役からも退任する。

鳥取氏は1985年にCAとして東亜国内航空(現JAL)に入社した。2020年には客室本部長として、コロナ禍の厳しい経営環境下でCAの自治体や企業への出向などを進め社員のモチベーション維持に努めた。23年4月にカスタマー・エクスペリエンス本部長としてJALのブランド力向上に取り組み、同年6月にJALでは2人目の女性の代表取締役に就任した。

2010年に破綻した日航は故稲盛和夫京セラ名誉会長の指揮の下、植木氏が再生を主導。整備畑である赤坂氏もその路線を踏襲しながらも、再生から成長へカジをきる方針だったがコロナ禍の対応に追われた。

赤坂氏はコロナ禍という逆風下でも、中距離の格安航空会社(LCC)のジップエア・トーキョー(千葉県成田市)を立ち上げたほか、13年ぶりの貨物専用機の導入を決めるなど成長への布石を打ってきた。

鳥取三津子氏(とっとり・みつこ)
1985年(昭60年)活水女子短大英文学卒、東亜国内航空(現日本航空)入社。2019年客室安全推進部長、20年執行役員客室本部長、23年4月専務執行役員などを経て同年6月から代表取締役専務執行役員グループCCO(最高顧客責任者)。福岡県出身。

(日経新聞)

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